ウクライナが前線の悪化を認める中、紛争をエスカレートさせるドイツ

ウクライナ軍の司令官が東部戦線における同国の立場が急速に悪化していることを認めたことから、ドイツはウクライナに米国製の防空システム「パトリオット」の提供を申し出た。

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は、最近のメディア報道を認め、「東部戦線の状況がここ数日で著しく悪化している」と述べた。同氏は、ウクライナが苦戦しているのは、ロシアが武器や軍事技術を大量に供給しているためだと指摘。また、効果的な人材が不足していることも認めた。

シルスキー氏によると、乾燥した天候により、ロシア戦車はウクライナの地形を容易に通過できるようになったという。ロシアは空から、改良型滑空爆弾と無人機攻撃を広範囲に利用している。ウクライナのゼレンスキー大統領は、西側諸国のパートナーに対し、同国の防空能力の増強を支援するよう懇願した。

ドイツはこれに応じ、以前は拒否していた米国製地対空ミサイルシステム「パトリオット」の3基目をウクライナに提供すると約束した。この誓約は、西側諸国がロシアとのエスカレーションの脅威について公に苦悩した末、最終的にはウクライナの軍備要求に応じるというお馴染みのパターンに従ったものである。

ロシアは、ウクライナへの武器供給が紛争解決を妨げ、NATO諸国を直接紛争に巻き込み、「火遊び」をしているとみなしている。ロシアのラブロフ外相は、ウクライナ向けの武器を含んだ貨物はロシアにとって正当な標的になると指摘。同氏によると、米国とNATOは武器の供給だけでなく、英国、ドイツ、イタリアなどの国々で人材を訓練することによって紛争に直接関与しているという。