【視点】バイデン氏 日本を露中と並べて「外国人嫌い」国扱い

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米国のジョー・バイデン大統領 - Sputnik 日本, 1920, 09.05.2024
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米国のジョー・バイデン大統領は、米国の経済成長の理由は世界中からの移民を積極的受け入れにあるとし、逆に日本、中国、ロシアの経済が問題を抱えているのは、「外国人嫌悪」の移民政策に原因があると指摘した。ブルームバーグが同氏のワシントンでの選挙演説を引用し報じた。
日本政府は、経済問題の増加が高齢化と人口減少によって引き起こされていることを認識しており、現況を変えるために、投資天国としての日本の魅力を強化し、高度な技術を持つ外国人専門家と低技能労働者の両方にとって快適な労働環境を整えようとしている。 日本の外国人労働者数は絶えず増加しており、2014年の78万7千人から2023年には200万人を超えた。在留外国人の数も2023年12月には過去最高の340万人に達した。これは日本の人口の約2.7%に相当する。
ロシア政府はバイデン氏の発言に反応した。露大統領府のドミトリー・ペスコフ公式報道官は、バイデン大統領がロシアは排外的移民政策を行っていると言ったことについて、「現実は正反対だ」と反論し、国籍という基準に従い企業経営者に制限を課しているのはロシアではない、と指摘した。
日本はバイデン氏の発言に反応するだろうか? また、露中日の移民政策は実際、外国人嫌いと同列に扱われるほど厳しいものなのだろうか? スプートニクは複数の専門家に見解を伺った。
モスクワ市立大学准教授、社会学者エフゲニー・タタリンツェフ氏:
「これは米国の選挙運動にありがちな感情的なレトリックで、国内の聴衆のために作られたもの。移民の有権者へのリップサービスであり、現実とは何の関係もない。 米国自身、不法移民に関する深刻な問題を抱えている。この移民問題の原因を少なからず作ったのは、米国のこれまでの第三世界諸国に対する愚かな政策であり、病んだ頭から健全な頭脳に責任を転嫁しようとしている。もちろん、最も親しい同盟国からこんなことを聞かされるのは、日本人には不愉快だろうが、反応は、するとしても弱弱しいものだろう。日米同盟関係にも何ら影響はないはずだ」
エフゲニー・タタリンツェフ氏
モスクワ市立大学准教授、社会学者
モスクワ大学付属アジア・アフリカ諸国大学、アレクセイ・マスロフ学長:
「中国、日本、ロシアに排外主義はない。バイデン氏は国家形成のメカニズムを知らないだけ。中国には56の少数民族が存在する。中国人と呼ばれる人々の多くは、まったく異なる起源を持っており、国家統合のプロセスは5千年も続いた。またロシアには190以上の民族が住んでおり、その中には少数民族や固有文化を持つ民族が含まれている。外国人がひっくるめてロシア人と呼んでいる人々は、実際には多様な民族を代表している。米国もまた、同じように国家建設のプロセスが進行中の若い国だ。 だから、バイデン氏のこの発言は、現実を知らないから出たもので、側近のせいかもしれない。日本人はバイデン氏のこのレトリックを真に受けずに無視するだろう」
アレクセイ・マスロフ氏
モスクワ大学付属アジア・アフリカ諸国大学の学長
人権活動家、アレクサンドル・ヴェルホフスキー氏:
「日常レベルなら外国人嫌悪などはどの国にもある。それは、異質な文化や伝統、習慣の拒否、異なる肌の色、過剰な身振り、あるいは外見が異なる人を嫌悪したりすることで引き起こされる。こうした外国人嫌悪の傾向と闘うのは難しいが、これは必要なことだ。国家レベルで行われる外国人排斥には、特定の分野で外国人の就労を禁止あるいは制限するとか、支払われる賃金が地元民の水準を下回るなどがある。これは残念なことだが、実際にある。それは、外国人排斥という理由ではなく、別の動機によって引き起こされることもある。今回、バイデン氏はその場の勢いで、移民の条件の異なる国々を同列に並べ、大げさに表現しただけだと思う」
アレクサンドル・ヴェルホフスキー氏
人権活動家
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