FT買収の裏側:日本企業にとって最悪の取引の歴史

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日経がピアソンからFTを買収する。これにつき、再度、外国企業の買収は日本にとってあまりに高くつくのではないか、との疑問の声が上がっている。1990年代以降、日本企業は数多くの外国企業の株式を取得した。たとえばゴルフ場「ぺブル・ビーチ」、通信事業のスプリント社など。これらは壊滅的な損失を出し、日本企業にとって最悪の取引として、歴史に名を残した。

今回日経は13億ドルという、新聞社としては破格の高値を支払おうとしている。2013年のワシントン・ポスト売却時の金額の5倍の数字だ。

過去の取引の実例

Financial Times - Sputnik 日本
ピアソン、フィナンシャルタイムズを13億ドルで日経に売却
マーキー・リアルエステート

東京に本社を置く三菱エステートは1989年および1990年にロックフェラーセンターに14億ドルを投資したが、その7年後、住宅ローンで債務不履行を起こし、それを手放した。ぺブル・ビーチは1990年、ゴルフ界の大物・熊取谷稔(いすたに・みのる)氏によって、8億4100万ドルで取得された。それから2年もしないうちに熊取谷氏の会社は破産し、ビーチは三分の二の価格で売却された。

間違い電話

ソフトバンクの孫正義氏は2013年、230億ドルでスプリント社の経営支配株を購入し、波紋を呼んだ。無線事業で米国第三位の同社が、ソフトバンクの新たな製品とサービスで、国で一番のキャリアを目指す、と孫氏は息巻いた。しかし、そうはならなかった。スプリント社はシェアを失い、業績を悪化させた。ソフトバンクの保有株式は現在、120億ドルの価値しかない。

リーマン頭痛

野村證券は2008年、世界金融危機の最中、リーマンブラザーズの欧州およびアジア事業を獲得した。同社の海外事業が赤字の数年間を送るうち、コストは高騰し、株価は暴落した。3月31日までの四半期で、野村は欧州、アジア、米国の収益目標を達成できなかった。グローバルな銀行の多くが危機から回復した一方で、事業購入以来、その株価は今も下がっている。

連続過払い犯

かつて携帯電話で世界最大のセールスを挙げたNTTドコモは2000年代初頭、海外投資の価値の目減りに関連し、数十億ドルを支出することになった。損となった投資の中には、AT&T ワイアレス・サービス、KPN モビールNV、ハッチソン3G UKといった企業がある。2002年10月までに、評価損は合計1兆3900億円(110億ドル)に上った。ドコモの海外出資の3四半期分にあたる数字だ。以来同社はアジア域外の携帯ビジネスを縮小している。

スターゲイザー

現パナソニック、当時の松下電工は、1990年、ユニバーサル・スタジオの親会社MCAを目を剥くような高額、66億ドルで購入した。そこで日本のオーナーたちはどんぶり勘定のハリウッドマネージャーらと文化的衝突を起こし、5年後には80%をシーグラム社に57億ドルで売却し、残りは2006年に11.5億ドルで売却した。

ソニーは1989年、コロンビア・ピクチャーズを34億ドルで購入した。同社はスタジオ経営のためピーター・グーバー、ジョン・ピータースという二人のプロデューサーを迎え、2年間の乱費を許した。ソニーは両人を契約から解除するために、タイム・ワーナーに5億ドルを支払い、それぞれの映画に4000万ドルという、業界の40%高い金額を費やした。同社のハリウッド・ビジネスはその後は増進し、ソニーは4月、今年の営業利益は4倍になる、との予測を出すに至った。

薬の取引

第一三共は2008年、ランバクシー・ラボラトリーズの経営支配株を購入した。その1年後、同社は、日本の製薬会社トップ5社の中で、業績が最悪になった。インドの会社に46億ドルを支払ったときの思惑は外れたと思しい。業績回復の苦闘が数年間続いた。結局第一三共は3月下旬に終結した取引で、ランバクシーをサン・ファーマ社に売却した。以来、第一三共のシェアは32%回復した。

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