ドイツに向かう新たな難民たち

© REUTERS / Fabrizio Benschドイツに向かう新たな難民たち
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ドイツは、難民への対応を見直している。ドイツ連邦議会は10月半ば、難民に関する規則を強化した。ドイツは、難民流入に対処するための他の手段を見つけることができなかった。なおドイツ議会は、今回の措置について、祖国の内戦から逃れてくる難民への積極的な支援に役立つと指摘した。

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ドイツ議会の変更は、難民の生活の複数の面に関連する。難民認定申請の審査期間が6ヶ月まで延長され、金銭的な援助は終わって、それに代わり、食料や生活必需品が支給される。ドイツが受け入れを拒否する難民の出身国も拡大され、セルビア、マケドニア、ボスニアの他に、モンテネグロ、コソボ、アルバニアがリストに加わった。このような動きは、間違いなく様々なレベルで批判を受けるだろう。ロシア科学アカデミー欧州研究所ドイツ研究センターのアレクサンドル・カムキン主任研究員は、これらの動きは、これまでのドイツの声明と全く一致しないと指摘し、次のように語っている-

「ドイツ議会では激しい議論が行われ、非政府組織、人権団体、左翼野党から激しい批判を受ける可能性がある。激しい感情は、頂点に達した。ドイツのメルケル首相は数ヶ月前、ドイツは全ての難民を受け入れることができると述べたが、難民のステータスを悪用する人々が国外追放されることになり、この声明は今、無効となった。そのため、ドイツの支配エリートが分裂したと述べることができる」。

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まだ温存されている手段がもう一つある。それは、違反者たちを追放する権利だ。別の言葉で述べるならば、誰かが決められた手続きを踏まずに、嘘をついて自分が望むステータスを手に入れようとした場合、この人物は、通常よりも早く本国へ送還されるということだ。これも以前の対応とは大きく異なっている。国立大学「高等経済学院」世界経済国際政治学部のイーゴリ・コヴァリョフ第一副学 部長は、経済状況が変化すれば、難民に対する対応も変わるとの見方を示し、次のように語っている-

「もちろん、これは安価な労働力の流入だ。かつてドイツがトルコや旧ユーゴスラビアの人々を出稼ぎ労働者として招いたとき、ドイツは、ドイツ人が低賃金で働くことを望まなくなったことで生じたニッチを埋めるために、彼らを受け入れた。しかし今の問題は、より深刻だ。危機によって労働力需要が大幅に削減し、EU諸国は労働力をそれほど必要としていないからだ」。

しかし、不愉快な目に遭うのは、難民だけではない。政治家たちがこの危機に何で対価を支払うのかについて語る人はまだ少ないが、すでに一つのことが明らかとなっている。それは、ドイツでは社会的気運が大きく変化し、政府は信頼の危機に直面する可能性があるということだ。カムキン主任研究員は、このように警告し、次のように語っている-

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「これによって与党とメルケル首相の支持率が低下し、自然に右翼ポピュリズム気運が高まる可能性がある。なぜなら一般のドイツ人たちは、右翼ポピュリズム的な教育を受けているにもかかわらず、すでに不満を言い始めているからだ。反イスラム化運動「ペギーダ(西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者)」は、結局のところ、まったくのゼロから生まれたわけではない。ペギーダは、難民の流入が激しくなるまえに結成されたが、潜在的なヒトラー主義者ではなく、平均的な市民の心の奥の感情によって必要とされた。そのため、まずドイツ社会が、(難民を支援する一方で、難民を制限するべきだという)不明瞭な政策を理解できないことが不満となり、幅広い階層におけるドイツ政府への不信につながる恐れがある」。

一般のドイツ人たちからは、政府がその決断の影響を先まで見通すことができないとの声がよく聞かれるようになった。すでにミスによって状況は急速に変化しているが、政治家たちは緊張を緩和させるための対策を一つも提案することができずにいる。

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