日本が憂慮すべきは英国EU離脱ではなく、EU崩壊

© AP Photo / Virginia Mayo日本が憂慮すべきは英国EU離脱ではなく、EU崩壊
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24日金曜、英国からのニュース待ちの状態でのドルレートは2013年11月、アベノミックスがスタートした段階以来、最安値を記録した。そのドルよりもEUの統一通貨ユーロはさらに価格を下げている。日経平均株価は8%以上ダウン。これは2011年3月の東北大震災で10%下落したとき以来、最も著しいダウンとなった。

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麻生太郎副首相兼財務相は今日の外貨市場の大きなゆれを「神経質な動き」と呼び、これに関連して政府は状況緩和策をとると語っている。麻生大臣は、日銀は民間金融機関に必要な量の流動性を満たすために今あるメカニズムを使うと語っている。同時に麻生氏は高騰した円を下げるために日銀が為替介入に踏み切るかどうかという問いに対しては答えをかわした。円が強くなれば日本の輸出業者に不利益となるだけでなく、インフレレベルを引上げようとしている政権の努力が無に帰することになる。

ロシア経済高等学校のアナリスト、アンドレイ・フェシュン氏は日本は大きく震撼する必要はないとして、次のように語っている。

「日本はこの影響は世界の他の国ほど強くは受けない。確かに今日は株価は下落し、円の対ドルレートは上がったが、それでもこれは『多少の揺れ』を起こしたあと、止まるだろう。これは危機ではない。日本にとっては米国やアジアの、特に中国で危機が起きるほうが危ない。だがこうした国では今のところ何も起きていない。」

だだ日本の危惧感は円高だけが原因ではない。英国に生産拠点を置く日本企業の状態も憂慮を煽っている。もし英国がEUを離脱した場合、EU圏の市場向けに作られている日本企業のプロダクトは関税の壁に阻まれてしまう。英国を一例にしても自動車には15%の関税がかかることになる。これについてフェシュン氏はさらに次のように語っている。

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「実際、あまりに強くなった円では日本の輸出には、特に自動車産業には不利だ。日本の自動車の専門家の話では1ドル110円なら利益になる。それが1ドル100円から105円の場合、輸出収益はほぼゼロとなってしまう。このため日銀が為替介入を行なうか否かは、多くはトヨタや本社を仏におく日産側からの圧力があるかいなかに因ると思う。

日産は現状ではまだ多少は楽だが、トヨタは大変だ。とはいえ見方を変えればトヨタの主なカウンターパートは米国だ。原則的には日本の自動車メーカーには他に手段がいくつもある。彼らは組み立ても世界中に多極化させているからだ。この意味では日本のことはそう心配しなくてもいい。逆に欧州、英国は憂慮の対象だ。日本にとってはこれは一時的な揺れであって、日銀や経済全体は経験したことがないだけだ。だがこれが英国内の事にとどまらず、EU崩壊の前触れであることは理解しておかねばならない。これはすぐには起きない。10-15年、ひょっとするともっとかかるかもしれないが、それはもう始まってしまったのだ。そして今日本のマーケットで起こっているすべての動きはこの観点から見る必要がある。いずれにせよ、現在のEUという構造はおそらく存在しなくなる。ところが日本の長期的プランや金融決済はすべて欧州内の商品流通が自由に行われることを見込んだものだ。このため日本はEUとの関係をすべて総合的に見直す必要に迫られる。この他に日本が蒙るだろう影響は私はないと思う。」

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