ベトナム人女性、日本の手まりへの愛を語る

© Flickr / Judy Tepley手まり
手まり - Sputnik 日本
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モスクワに住むベトナム人女性、ファム・トゥイ・クユンさんによる、手まりの展覧会がモスクワの185番図書館「文化の対話センター」で開かれている。日本の手まりに魅了されたクユンさんは、自分で縫った120個の手まりを展示している。

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手まりは日本ではもともと子どもの遊び道具だったが、最近では伝統工芸品として扱われ、加賀手まり、讃岐手まりなど、職人の作る手まりは高値で売買されている。金沢では手縫いの手まりを、娘が嫁ぐ際に持たせる風習があり、魔除けアイテムとしても使われている。

クユンさんはソビエト時代、建築学を学びにモスクワへ留学し、そのままモスクワへ残った。現在はモスクワにある食品関係のベトナムの会社で働いている。やはりソ連に留学していたベトナム人男性と結婚し、2人の子どもがいる。水彩画が趣味で、これまでたびたび展覧会を開いていた。

クユンさんの言葉によれば、クユンさんと手まりは運命の出会いを果たした。1年ほど前、日本人男性と結婚した友人の写真を偶然目にしたとき、そこに手まりが写りこんでいたのだ。この綺麗な丸いものは一体何なのか?と頭から離れなくなり、クユンさんは手まりについて調べ始めた。手まりという名称はロシアの検索サイトで知った。

それからというものクユンさんは、仕事や家事を終えてからの深夜の自分の時間を、毎日手まり製作に費やした。インターネットの動画を見て自習し、経験ゼロの状態から、8か月間で120個の手まりを縫い上げた。驚くべきはそのクオリティだ。クユンさんの手まりは、独学で作ったとは思えないほど素晴らしい出来栄えだ。伝統的な日本のモチーフを用いたものもあれば、鳥や虫をデザインしたもの、洋風にサンタクロースをあしらったもの、ロシア帝国のイースター・エッグ風のものもある。クユンさんによれば手まりの魅力は、「手で縫うことによってのみ表現できる美と色の融合」だという。

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クユンさん「最初に手まりを作り始めたときは、まさか展覧会ができるなんて思ってもみませんでした。すっかり手まりに魅了されていますから、作るのをやめられないのです。みんなから、夜は休んだほうがいいと言われますが、私は疲れていません。手まりを作ることでむしろリラックスできて、生活を楽しんでいるという実感がわきます。手まりを縫う、という芸術を通して、自分の内面世界を表現することができるのです。たくさんの美しい手まりの写真を見ましたが、完全にコピーをしたことはありません。縫っているうちに、自分の創造性を生かした作品を作りたくなるのです。」

クユンさんは日本に行ったことはないが、日本人の精神性に共感する部分が多く、日本との縁を感じている。

クユンさん「日本の文化をとても身近に感じます。日本人は、あらゆる事柄に対して非常に注意深く、責任をもっています。もし日本人が何か始めたら、彼らはその仕事に対して、最高の点までクオリティを高めようとします。これは私もそうです。もし私が何か始めるなら、それをよく研究し、自分にできる全ての努力をして、完成に近づけられるよう力を尽くします。手まりも、そのうちの一つです。」

クユンさんは、ゆくゆくは地球をモチーフにした特大サイズの手まりを作り、ロシアや日本やベトナムを手まりの中に描き出したいと考えている。その手まりには、世界が平和であるようにとの祈りをこめるつもりだ。

先に伝えられたところによると、第8回国際ロシア語俳句コンテストに2500作品の応募があった

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