日本会議と安倍首相の関係は、国会議員になった直後から始まっていた

© AP Photo / Shuji Kajiyama安倍首相
安倍首相 - Sputnik 日本
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安倍晋三首相の応援団的存在で、政界への影響力が増している日本会議。民間団体である日本会議が大きな力をもつのは、どのような経緯によるものなのか。

「日本会議の全貌・知られざる巨大組織の実態」の著者である、子どもと教科書全国ネット21の俵義文(たわら・よしふみ)事務局長は、日本会議を「欧米で言えば歴史修正主義の組織であり、極右団体」であると定義している。俵氏は日本会議が政界に強いパイプをもつ理由について、歴史的経緯を踏まえながら次のように話している。

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俵氏「1997年の5月30日に右派宗教団体の集合体『日本を守る会』と右翼団体の『日本を守る国民会議』が組織統一し、現在の日本会議が誕生しました。その前日の29日には、日本会議と連携するために、森喜朗氏の呼びかけで超党派の議員連盟『日本会議国会議員懇談会』が発足していました。

日本会議の前身である『日本を守る国民会議』は、様々な運動を展開していました。例えば村山富市政権下では、敗戦50周年である1995年に戦争を反省する国会決議を行う準備がなされていました。これに反対するため94年の12月、自民党内に『終戦五十周年国会議員連盟』が設立されたのです。現在の首相である安倍晋三氏は当時国会議員になったばかりで、この議連の事務局長代理に就任しました。『日本を守る国民会議』は『終戦五十周年国会議員連盟』と連携して戦争謝罪決議に反対するとともに、英霊に感謝する決議をするよう運動しました。結果的に戦争を反省する国会決議は可決されず、非常に曖昧に終わってしまったのです。そのために村山首相は談話を発表せざるを得ませんでした。

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今、極右的な課題を抱えて、日常活動している議員連盟というのは『日本会議国会議員懇談会』だけでしょう。この議連は日本会議と定期的に協議を重ね、日本会議が掲げる要求や課題を政治の場で実現するために活動していて、両者は非常に強く連携しているのです。私は、第二次安倍政権が誕生したのはこのような組織の力によるものだと見ています。2012年9月の自民党総裁選で、安倍氏が地方の自民党員の投票では石破茂氏に圧倒的に負けていたのに、国会議員の投票によって逆転して総裁になり、首相になりました。これは極右的な国会議員の組織が自民党内で非常に影響力をもっており、その力によって安倍氏が押し上げられたという風に見ることができます。」

また俵氏は、300名近い国会議員が日本会議のメンバーになっている理由について次のように述べている。

俵氏「衆院選が小選挙区制になり、2005年の小泉郵政選挙が証明したように、党の公認候補になれなければ国会議員になれる望みはほとんどありません。自民党の中枢と良い関係を結んでいなければ、国会議員としてやっていくことが難しいのです。日本会議の他にも、安倍首相が会長になっている創生「日本」という団体もありますし、神社本庁と関係の深い神道政治連盟国会議員懇談会という議員連盟もあります。これも安倍首相が会長になっています。このような自民党の幹部が関係している議連・団体に入っていなければ、次の選挙に出られるかどうかわからないという不安があるのでしょう。」

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