国境は家の玄関!ロシア人慶大生、日ロ友好促進団体立ち上げ

© Sputnik / Klimenty Kudryashovクリメンティ・クドウリヤショフさん
クリメンティ・クドウリヤショフさん - Sputnik 日本
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熱いハートをもった「日本内ロシア人」をご紹介しよう。千葉県在住・慶應義塾大学法学部法律学科三年生の、クリメンティ・クドウリヤショフさんだ。友達からはメンティと呼ばれている。クドウリヤショフさんは今年4月に、日ロ友好促進団体ProjectYar(プロジェクト・ヤール。以下ヤール)を立ち上げ、日ロの互恵的な民間・国際関係作りに貢献する人材を輩出するというミッションのもと活動している。

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クドウリヤショフさんの両親はロシア人で、彼が生後4ヶ月のとき、仕事のため日本に引っ越してきた。小中高と日本の学校で学んだが、週に一度ロシア大使館の敷地内にあるロシア人学校にも通い、ロシア式教育も受ける多忙な子ども時代を過ごした。特に好きだったのは、世界史や現代社会など、世の中を知る科目だ。二つの文化基盤を持っているが故に、自分のあるべき姿について思いを馳せることも多いという。

ロシア国籍をもち、日本社会で育ち、二つの文化を行き来する環境で育ってきたクドリヤショフさんは「僕は間違いなく日本人ではありませんが、ロシア人と言っても語弊があります。僕は自分を『日本内のロシア人』と定義しています。両親とはロシア語で話しますから、我が家の玄関は国境のようなものです」と話す。

多くの大学生が自分のやりたいことがわからないように、クドウリヤショフさんも大学生活の前半では、自分を見失った時期もあった。しかし翻訳や、ロシアに住むお兄さんが関わっている革製品ビジネスの手伝いなどをする中で、ロシアと関わりながら日本で生きることに喜びや意義を見出すことができた。そして自分の想いをツイッターで発信していくうちにロシアを愛する仲間と出会い、ヤールを立ち上げるに至ったのだ。

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ヤールの創立にあたって、クドウリヤシェフさんには大きな問題意識があった。日本では、ロシアと関わることは、仕事ではなく趣味だと思われているふしがある。ロシア関連の仕事をしたくても、生計を立てることができないのだ。クドウリヤシェフさんはこの現状を打破し、「ロシアを将来と結びつけ、自己実現ができるような日本社会を作りたい」と意気込む。そのためにはビジネス・スクールと協力して事業を生み出し、その企業への就職を視野に入れたインターンを受け入れるという方法や、ロシア進出に興味がある日本企業に優れた人材を提供する、あるいは日本のカウンターパートを探しているロシア企業へ人材を紹介するなど、様々な案を準備中だ。

また、ヤールは他の学生団体「日ロ学生会議」「日ロ学生交流会」「創価大学ロシア研究会」と連携し、日露学生連携協議会を作っている。これまでは団体の垣根を越えることは難しく、それぞれが個別に動いていたため、クドウリヤシェフさんの目から見れば安定的な活動はできても発展させる見込みがあまりなかった。今ではそれぞれの団体から幹部が集まり、互いの活動をシェアしたり、イベント集客の協力などをしたりしている。ロシアファンの若者たちの「横のライン」を作るのは、ありそうで無かった発想だ。これも、「日本内ロシア人」の呼びかけだからこそ実現したのかもしれない。

ヤールは10月16日(日)に若者を対象としたイベント「ヴァスホード(ロシア語で、『日の出』『発展の始まり』などの意味をもつ)」を東京で開催する予定だ。ロシアについて楽しく学び、議論し、日ロ共同の未来に対して夢を抱けるような内容を予定している。興味のある方は、ヤールの公式ツイッターアカウント@YarProjektまで問い合わせを。

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