ラヴロフ外相:ロシアは他者を助ける、しかしいかに生くべきかを決めつけはしない

© AP Photo / Richard Drewラヴロフ外相
ラヴロフ外相 - Sputnik 日本
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社会・経済の進歩と、全ての国・民族の発展のための、協調行動。それが今も国連の最重要課題だ。第70回国連総会でラヴロフ外相が述べた。

以下に、ラヴロフ外相が2015年以降の開発に関するグローバルアジェンダを議論するサミットの中で語ったことの概要を紹介する。

「15年前、ほかならぬ国連の働きにより、国際社会は、貧困と飢餓の克服を飛躍的に前進させ、世界数百万の人々に医療・教育サービスへのアクセスを保障し、母子の死亡率を格段に減少させた。

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ロシアは『持続可能な開発のための2030アジェンダ』が採択されたことを歓迎する。ロシアは様々なレベルで、その実現に向け努力していく。

またロシアは、様々な問題を抱える国に対し、その解決を支援する用意がある。

しかしその際、ロシアは、相手国に対し、『いかに生くべきか』を教え諭したり、政治モデルや価値観を押し付けたりしないよう気を付けるつもりだ。

グローバルレベルで国際的な成長を追求するべく協調行動をとっていくに際して、ロシアが最も重視するのは、貧困の克服である。そのために最も効果的なのが、税の軽減だ。

高債務貧困国に関するイニシアチブの枠内で、ロシアはアフリカ諸国の債務200億米ドル超を取り消した。同イニシアチブの枠外の貧困国についても、「債務と開発援助の交換」というアプローチをとり、協調して債務を軽減させる。

ロシアは教育、保健、エネルギー、食料安全保障、インフラといった分野でプロジェクトを推進し、また投資している。世界経済は堅調とは言えないが、ロシアの国際的な成長への貢献は金額的に見て増大している。

昨年一年間で、その金額は20%増大した。その額は、国連経由では1億2700万ドル、OECD(経済協力開発機構)経由では8億7500万ドルに上っている。

最低限の社会・経済システムの構築を必要としている国に支援を施すことは、取りも直さずグローバルな安定性への投資であり、効果的かつ、たとえ危機が起こっても揺らぐことのない国際システムを形成するための重要な前提条件づくりであり、さらには、人類全体の発展の要になることだと我々は考えている。

新興国の台頭により、IMFや世界銀行といった指導的機関は改革を迫られている。着実に進めていかねばならない。

ロシアは今も、地域の協力関係強化をぜひとも進めていくべきだと考えている。その一例がユーラシア空間の統合だ。ユーラシア諸国の発展のための重要なファクターとなるのが、先日発足したユーラシア同盟である。

またロシアは、公平な世界経済秩序を構築するべきだ、と考えている。同時に、ロシアは、広く一般に認められた国際法の基準に則って行動するべきだ、との立場だ。

安定成長という目標の達成のためには、一方的な強硬措置という慣行を改めるべきだ。

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たとえばキューバに対する禁輸措置など、国連安保理を故意に無視して導入された違法な行動は停止するべきだ。

それから、気候問題。ロシアは温室効果ガスの排出量削減について、世界の先頭を行っている。様々な国・地域で排出量が増大している分を、ロシアがカバーしている。ロシアは京都議定書の削減義務以上に削減を行っている。

1990年比で、排出量は31%も削減された。エネルギー部門の排出量はこの20年間で37%も削減された。EU諸国全体の排出量の5年分、米国の3年分が削減された形だ。
国連は昔も今も、グローバルな協力のための重要原則・規則を定める最重要な国際機関である。多国間の枠組みというのは、非公式なものを含めて色々あるが、それらは国連で採択された基本的合意を逸脱する行動を取ることがあってはならない。」

ラヴロフ外相は国連総会の演説で以上のように述べた。

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