トルコでは誰もが「難民」になり、欧州に入り込める

© AP Photo / Hussein Mallaシリアのパスポート
シリアのパスポート - Sputnik 日本
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イスタンブールのアクサライ広場には連夜、欧州渡航を夢見て、偽造されたシリア旅券を手にした難民・移民が集まっている。違法な業者はほとんどトルコ政府の目と鼻の先でパスポート商売を行なっている。

欧州入りを望む300人ほどの人が連夜、広場に集まっている。彼らは壁沿いにグループを作り、人身密輸業者の「調整役」からの連絡を待つ。「調整役」は偽造パスポートから乗船券まで、あらゆるものを彼らに与える。
イスタンブールで人身密売を行なう20代前半のシリア人アフマドさん(安全のため仮名にしてある)がBerlingske通信に自分の仕事について語ってくれた。

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アフマドさんとの会談が成立したことは、難民や移民についてよく聞かれるうわさが本当であることの証拠だ。つまり、イスタンブールの市場でパスポートが買えるというのは本当だったのだ。トルコ警察は賄賂をもらって、こうした人々を見て見ぬ振りしている、といううわさも、本当だったのだ。北アフリカ、チェチェン、アルバニア、イラクの人々はシリアのパスポートを買うためにイスタンブールにやってくる、というあのうわさは本当だったのだ。なぜならシリア旅券は今、欧州への扉を開いてくれる最良の身分証だからだ。

アフマドさん自身、今年に入ってから2000人以上を欧州に送り込んだという。

「私のグループでは、シリア旅券をもった人のうち、たったの20%しか、本当のシリア人はいなかった。大半はシリア旅券を現地の市場で買った移民たちだ」とアフマドさん。
アフマドさんは、規則や価格について語ってくれた。シリア人が新しいパスポートを買う場合は1000ユーロ、シリア人以外が買う場合はその5倍だという。
どういう論理でそうなるかというと、非シリア人はシリアの戦争を欧州へ渡るための口実として利用するのである。そのことの対価を彼らは払わなければならない、というわけだ。結局この人たちは、本当に悲惨なめにあったシリア人から、場所を奪うということなのだから。

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アフマドさんは、自分が送り出した人のなかにテロ組織「イスラム国」の戦士がいたかどうかはしらない、と語っている。

「それは目に見える特徴で判断できることではない。戦士は欧州に送られる前に髭をそられる。そうして、その他すべての人と同じかっこうになってしまう。戦士がそこに紛れていたのかどうかということは、私にはわからないのだ」。
アフマドさんは複雑な倫理的問題というものに拘泥しない。彼には単にお金を稼ぐことが必要なのである。そうしていまエジプトに暮らしている家族を養うことが、彼には必要なのである。ふつうのトルコの給料では、彼には足りないのである。

トルコでは偽造パスポートを売買した人は25年の禁固刑が科される、ということに一応はなっているのだが、実際上はほとんど合法的に偽造パスポートの売買が行なわれている。

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