露日、ISSで魚やネズミを調べる

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ISSの利用が2024年まで延長されるとの決定に、ISSプロジェクトに参加する全15カ国が沸いている。ISSは宇宙飛行士たちにとって、たんに職場というにとどまらず、いわば第二の家なのである。先端科学の粋を集めたISSでは衛星写真撮影や地球環境の遠隔測定が毎日行われ、複雑な学術実験も連日実施されている。中には動植物を対象とした生物学実験もある。

地上の研究者らは宇宙から送られれてくる医学実験の成果を待ち設けている。宇宙空間という条件下でのみ得られる、いまだ医学の手に負えない地上の病を克服する手がかりというものがあるからだ。ロシアはISS上の実験で外国との協力を積極的に進めている。蛋白質の結晶を育てる研究は、ロスコスモスとJAXAの共同研究である。それぞれがそれぞれの得意分野で貢献している。ロシアは技術を、日本は「きぼう」搭載の先端機器を提供しあう。ロスコスモス有人飛行プログラムの副代表ウラジーミル・ミチン氏は次のように語る。

「ISS上の露日共同研究ではじめて上質の蛋白質結晶が得られた。地上では決して手に入らないようなものだ。この結晶は将来的に、結核や一部癌などの治療に役立てられる」

露日共同の蛋白質結晶培養実験は無上の価値を有している。蛋白質結晶は上質であればあるほど、その分子構造をより正確に判定できる。分子の空間的構造を精確に理解できれば、それぞれの疾病により効果的な医薬品を開発できるのである。

日本とロシアはまた、宇宙空間における動物の振舞についても共同研究を行っている。2012年、ISSに、めだかの入った水槽2つが届けられた。医学・生物学実験として、無重力空間における骨の組成の変化が調べられた。再びミチン氏。

「我々はJAXAと共同で数年間、魚の研究を行った。非常に悪くない結果が得られた。魚たちは生きてステーションに連れて来られ、生きて地球に帰還した。しかも彼らはステーションで活発に繁殖した。これすなわち、動物は無重力空間を生き延びることが出来、かつ、(ここが重要、)自らの生物学的生産性を失うことがないのだ。いまロスコスモスとJAXAの新プロジェクトが計画されている。マウスの実験だ。プロジェクトはいま合意形成の段階にある」

宇宙における共同研究で学術的な課題の解決が加速する。ロシアの諺にこうある。「あたま一つも良いが、二つあるともっと良い」。

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