イランはロシアの中東政策に戦略的深さを与える

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ロシアのプーチン大統領は、イランへの地対空ミサイルシステム「S300」の禁輸措置を解除すると発表した。これは過去の経済関係の確立だけでなく、新たな世界秩序のための支柱を探しているロシアの中東政策における新たな段階を意味している。

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ロシアは新たな世界秩序のための出発点をつくるために、中東で力を持つ同盟国を獲得している。これが、ロシアがイランへのS300の禁輸措置を解除した理由の一つだ。そしてロシアは、同地域における西側の積極性の低下を背景に、同地域に対する最大の兵器輸出国となるだろう。カーネギー・モスクワ・センターのドミトリー・トレーニン所長は、雑誌ナショナル・インタレストでこのような見解を表している。

トレーニン所長は、今から5年前は経済的なもの意外にロシアは中東に他の関心は持っていなかったと述べることができるが、その後状況は大きく変わったと指摘している。トレーニン所長は、「ウクライナ後」の地政学的状況において、ロシアがイランとの関係で探している利点は、経済的利益だけではないとの見方を示している。米国および欧州連合(EU)との関係が緊迫している中、ロシアは新たな世界秩序を求めて西からの方向転換を始めたという。トレーニン所長によると、ロシア指導部は、イランなどを含む中東地域の主要国との関係拡大および関係の深化において、西からの方向転換を進めている。

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トレーニン所長は、国連が対イラン制裁を解除したら、ロシアは直ちに上海協力機構へのイラン加盟を積極的に促進するとの確信を示している。またトレーニン所長は、イランへの地対空ミサイルシステム「S300」の禁輸措置解除に関するプーチン大統領の発表は、ロシアが中東に向けて自国の外交政策を進め、同地域の開拓を始めることを意味しているとの見方を示している。

トレーニン所長は、「シリアは、ロシアの中東回帰のシンボルとなり、エジプトはかつて失われた古くからの同盟国との関係が新たな段階に入るとのロシアの希望を意味し、トルコは、EUとの新たなエネルギー関係のシンボルとなった。しかしまさにイランは、ロシアの中東政策に戦略的な深さを与える可能性がある」と指摘している。

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