ロシア外務省「核軍縮に関する米国との関係に停滞はない」

© Flickr / jnn1776米戦略航空部隊の「ブラックデー」
米戦略航空部隊の「ブラックデー」 - Sputnik 日本
サイン
ロシア外務省核拡散防止及び軍縮管理問題局のミハイル・ウリヤノフ局長は、リア-ノーヴォスチ通信特派員のインタビューに応じ、ロ米間の中短距離ミサイル削減条約に関する両国の要求及び、イランによる核プログラム合意遂行の監督メカニズムなどの問題について答えた。

以下、このインタビューの要旨をお伝えする。


Q.現在、ロシアと米国の核軍縮の状態を「停滞している」とコメントしてもよいだろうか?

A.核軍縮分野でのロ米関係に停滞が見られるといった捉え方は、極めてポピュラーなものと言える。しかし、それは実際とは違う。そもそもすべてが迷走状態にあるのだ。

1987年から我々は、事実上、米国側と休止なく、核兵器削減に向けた作業を行っている。すべては中距離短距離ミサイル廃絶から始まり、その後、戦略攻撃兵器に関する条約が結ばれ、その実行が開始され、完全に遂行された。さらなる戦略攻撃兵器削減についてのSTART-2の交渉もされたが、これは批准されていない。これに関するモスクワ条約を、我々は、2002年にブッシュ大統領との間で結んだ。2010年にも、新しい条約があり、それは現在遂行されている。3年後の2018年2月5日までには、ロシアと米国は、この条約が定めたレベルにまで達しなければならない。つまり、プロセスが進んでいるという事だ。ここにどんな停滞があると言うのか、私は理解に苦しむ。恐らく、より正しく言うなら、かなりの数の国々が、核軍縮のテンポの本質的加速化を欲しているという事だろうが、それはもう全く別の話だ。いかなる停滞もないというのが、実際のところだ。

Q.イランに対する制裁解除のためには、イラン政府は、自分達は合意のあらゆる条項を遂行したと、IAEA(国際原子力機関)を説得する必要がある。遠心分離器の削減の検査実施は比較的容易だが、核プログラムに軍事的要素が含まれているのではないかとの疑いを払拭するためには、極めて困難なプロセスが必要だろう。この点について、ロシアに懸念はないのか?この問題の効果的監督に向け、どんなメカニズムがあり得るだろうか?

A.問題は、実際、大変困難である。実際のところ、すべては、どんな判断基準を持って、こうした問題の解決にアプローチするかにかかっている。問題は、20世紀の終わりから今世紀の初めに生じた、かなり前の事についてで、2015年の現在、すべてのニュアンスを最後まで、技術的にさえ明らかにするのは極めて困難だろう。この事は、イラクでの大量破壊兵器廃絶の経験が示した。イラク側に非常に多くの問いが発せられ、イラクは国連安全保障理事会の然るべき要求を遂行しているのかどうか、大きな疑いが生じた。西側の国々は、大量破壊兵器の一部を隠しているとサダム・フセインを非難し、この件をイラクに応じて閉じる事は全く不可能だった。しかしその後、サダム・フセインのもとには実際そんなものは何もなかった事が分かった。もしイランに対してそうしたやり方を用いるなら、事態は、悪循環を始める可能性がある。

私の見る所、5年から20年前にあった事は、今はもうそれほどアクチュアルではない。少なくとも、我々にとって最も大事なのは、イランが今、自分の核技術を軍事転用しないようにする事、核兵器を決して持たないようにする事だ。もしこれが、筆頭に掲げられるならば、疑惑の問題は、何らかの理性的枠内で解決されるだろうし、上手くいけば、すぐにでも解決できるだろう。

ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала