東方を目指すインド艦隊

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インドは、自国艦隊をインド洋南部と南シナ海方面に派遣した。このインド艦隊の2つの遠洋航海は、アジェンドラ・バハドゥール・シン少将指揮のもと行われているもので、シンガポール海軍艦船と合同演習を開始した。

今後インド海軍の艦船は、インドネシアやオーストラリア、マレーシア、タイそしてカンボジアの港に寄港する。

インド海軍スポークスマンは「今回の訪問は、二国間関係強化及び友好関係にある艦隊間の相互行動の改善に向けられたもので、戦略的に重要な地域にインドの存在を示す意味も有している。また我々は、今回訪問する国々の艦隊と合同演習を実施する計画だ」伝えた。

新しいインドの方針「東方に向かって行動せよ」("Act East" policy)の枠内で、インドは、東方の自国領アンダマン諸島やニコバル諸島にある海軍・空軍基地を拡大し強化する意向だ。そうした島々に置かれた軍事司令部の任務には、インド東方の排他的経済水域における安全の保障、さらにはインド洋と太平洋をつなぐマラッカ海峡地域の海上交通の監視が含まれている。

多くの分析専門家らは、こうした措置を、インド洋における中国海軍拡大への対抗を目指すインド政府の意向と結びつけて捉えている。特に、インドは、中国がクラ地峡に運河を建設する考えを持っているとの情報を念頭に置いて動いている、そう考えられている。この大プロジェクトが実現すれば、南シナ海からインド洋へのルートは、マラッカ海峡を通過した場合に比べ著しく短縮される。

しかしインドの軍司令部は、状況を大げさに喧伝するつもりはないようだ。インド艦隊司令官ロビン・ドゥホヴァン(Robin Dhowan)提督は、新聞Times of Indiaのインタビューに応えた中で、次のように指摘している。

「インド洋における中国のプレゼンスの増大は、新しいニュースではない。2008年から中国海軍の艦船は、アデン湾での海賊撲滅作戦における護衛機能として存在している。彼らは、自国の商船を海賊から守っている。その後だんだんインド洋に、原子力船も含めた中国の潜水艦も現れるようになっている。しかしいかなる軍事的プレゼンスの拡大も起きてはいない。」

インドは、すでに大分以前に、隣国の軍事的発展に大きな憂慮を持って接する地域大国の地位を脱却した。モディ政権の積極的は外交政策は、インド政府がアジアの全空間における統合プロセスの、言ってみれば「触媒」になろうと目指している事を周囲に示している。

「グローバル・イースト」という大規模なプロジェクトの実現は、もう一つのアジアの超大国、中国との平和的な善隣関係確立なくしては不可能である。それゆえ恐らく、インド海軍の東方航海は、多くの観測筋が通常行うような解釈、つまり中国への対抗を目指すデモンストレーションと解釈すべきではないだろう。インドが自分達を、インド洋及び太平洋全体における安全を保障するグローバルな保証国の1人だと自覚した事は、新しいファクターとなっている。

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