「ロシアは世界をどう見ているか」ーラヴロフ外相へのインタビュー抜粋

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ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は、テレビ番組「国際評論」のインタビューに応え「ロシアにとって主要な事は、現在一カ国でも又ニカ国でも世界の諸問題を解決できはしないという事実について、すべての国々が同意するよう保障することである。我々は、集団行動の原則に立つ必要がある」と指摘した。

以下、同インタビューでのラヴロフ外相の発言を抜粋してお伝えするー

「何らかの問題において、米国が好意を持ってロシアを共に協力しあおうと招く一方で、彼らの言い方によれば、自分達には我々を『罰する』権利があると考えるような立場に立つべきではない。我々が協力を進めるのは、彼らが、あれやこれやの分野において我々と共同行動を欲しているからではなく、そうしたコンタクトの具体的な領域が、我々の国益に適っており、ロシア連邦にとってリスクを創り出す問題と関係しているからだ。

米国との協力のメカニズムを台無しにしたのはロシアではない。先日なされたケリー国務長官のソチ訪問は、事実上、米国政府が、やはりロ米間には橋を作る必要があると理解した事を意味するものだった。ウクライナに関する事以外に、我々は、シリア問題の調整やイエメン情勢へのアプローチや、パレスチナ・イスラエル問題の調整における状態など多くのテーマを討議した。我々は、共通の敵そして脅威に目を向けなくてはならない。あれやこれやの国々の、あれやこれやの体制に対し、自分の好みによって情勢に合わせた対応を試みてはならない。

国連は、ユニークな組織であり、地球上に存在するほとんどすべての国家がメンバーとなっている。国連憲章に疑いを差し挟む国は実際上ない。そこに記されているすべての原則、国家主権の平等、係争問題の平和的手段による調整、主権の尊重、領土保全、国家の独立、民族自決権の尊重…そういった原則すべては、現在差し迫ったものばかりだ。こうした原則を毎回解釈する必要などない。原則は、総体としてのみ効力を持つことができる。国連では、あらゆる問題をめぐり合意を達する事が可能である。肝心なのは、その後それらの合意が尊重されるようにする事だ。

国連の最大の欠陥は、国連安全保障理事会に主要な新興国が入っていない事だ。ロシアは、インドやブラジルが、国連安保理事会において、常任理事国になるか、あるいは特別の地位を持つ事を支持して来たし、これからも支持するだろう。ドイツも完全に相応しい候補国といえる。またロシアは、日本の友人達が国連安保理事会のメンバー国入りを目指す事を正しく理解しているし、彼らと話し合う用意がある。その際ロシアは、国連安保理事会入りするすべての国々が、どこかの国との関係を何らかの方法で損なわないようにするか、あるいはより良くするためではなく、自らの国益に立脚して、自主的に行動し決定を下すよう期待している。

ウクライナ問題について言えば、ミンスク合意遂行の途上において主な障害となっているのは、ウクライナ当局に他ならない。西側は、もしミンスク合意が遂行されるならば、ロシアに対する制裁は解かれると言っている。あたかもロシアだけが、ミンスク合意に調印し、ロシアのみがそれを遂行しなければならないようだ。これは全く違う。我々の西側パートナー達は、キエフ当局が自ら負った義務を遂行していない新たなケースすべてに対して、どのように反応しているだろうか。おまけに彼らは、根拠のない事ではなく、証明された事実に対しても沈黙している。ウクライナに関する交渉でのロシアのパートナーは、この国(ウクライナ)のポロシェンコ大統領である。我々と彼との間には、コンタクトが続いている。そこでは、彼には、合意を遂行する意志があるように感じる。恐らくキエフにおいて彼は、少なくとも大衆受けを狙って、また実際の行動において『戦争の党』の存在を考慮しなくてはならないのだろう。彼らは絶えず、ロシアやドネツク及びルガンスクに対し、戦闘的な声明を出している。そうしたアプローチを目にしながら、私は、ロシア、ドイツ、フランス、欧州安保協力機構(OSCE)支持のもとポロシェンコ大統領によって調印されたミンスク合意を、現キエフ政権に果たして遂行する能力があるのかどうか、極めて悲観的に受け止めている。ミンスク合意は、米国も支持したと言ってよいだろう。なぜならケリー国務長官は、ソチでの会談で、ミンスク合意のあらゆる面の無条件遂行を明確に支持したからだ。我々は、米国が、キエフ当局に対する自分達の影響力を考慮しつつ、その力を、彼らが合意遂行の方向に動くように用いるべきだと考えている。一方我々は、ドネツク及びルガンスク両共和国と同様の作業を続けるだろう。両共和国が、もしすべての合意が遂行されれば自分達はウクライナの一部になるだろうとして、ミンスク合意に調印した事は、ロシア政府が彼らとの間で行っている非常に重大な仕事の成果である。さもなければ彼らは、独立を宣言していただろう。」

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