信頼のメカニズムを稼働させるのは交渉だけ

© AFP 2023 / Jung Yeon-Je信頼のメカニズムを稼働させるのは交渉だけ
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米国と韓国は、済州島の東海上で、過去最大規模の合同対潜戦訓練を行っている。訓練には、誘導ミサイル駆逐艦などを含む10隻以上の艦艇が参加している。これは、「北朝鮮からの脅威」が生じた場合の、戦略的同盟国の行動訓練を目的としている。

北朝鮮は5月初旬、潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験を実施し、韓国はこれを「北朝鮮からの新たな脅威」とみなした。一方で北朝鮮は、自国の核戦力の強化は、信頼の欠如による米国との戦争を防止するための唯一の手段であると考えている。朝鮮に関するロシアの専門家ウラジーミル・グリニュク氏は、悪循環が起こっていると指摘し、悪循環を断つことができるのは、交渉しかないとの考えを表し、次のように語っている。

「北朝鮮政府は、同国の政治に米国を介入させないための唯一の手段は、核の保有だと考えており、イラクやリビアのような運命から北朝鮮を救うことができるのは、核の保有だけだとみなしている。まさにそのために北朝鮮は、核抑止力の強化に巨額の資金を費やし、大きな努力を注ぐことを余儀なくされた。状況を変えることができるのは、北朝鮮の安全を保障するメカニズムを作成することだけだ。まずは、北朝鮮の核問題解決に関する6か国協議を再開することだ。様々な理由のために、このフォーマットは現在機能していない。6か国が共同で努力して、北朝鮮に安全保障を提供する必要がある。これが、北朝鮮を改革へ向かわせる可能性がある。そしてこれは、共産党の主導的な役割を維持しながら市場経済の道を歩んで順調に発展している中国やベトナムの例を用いながら、北朝鮮が独自の方法で、市場経済と民主主義へ移行するのを可能とするだろう。」

6か国協議プロセスは、公式には無効となってはいない。協議再開のチャンスはまだ残っている。

 

 

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