アジアインフラ投資銀行へのロシアの参加は西側の制裁を無意味なものにした

© AFP 2023 / Takaki Yajima/POOLアジアインフラ投資銀行
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ロシア政府は、アジアインフラ投資銀行の協定案に合意した。この協定案によると、ロシアの極東と中国との国境地域は、同行の主な「責任範囲」の一つになる。ロシアはアジアインフラ投資銀行への出資率で、中国とインドに続いて3番目となった。アジアインフラ投資銀行の幅広い金融手段は、極東をはじめとしたロシアの地域に、インフラにとって最も好ましく、有益な形で資金を呼び込むことを可能とするだろう。極東発展省 直接投資・輸出推進・対外経済活動局のイワン・トンキフ局長は、次のような見解を示している。

「ロシアは、そこから最大の利益を得る。なぜなら銀行の課題は、大規模な投資プロジェクトの長期資金で活動する金融機関の発展にあるからだ。

現在、極東の急速な発展と、極東のアジア太平洋地域への統合を妨げている唯一の障害がインフラだ。港湾、国境を越えた移動、鉄道や自動車道の発展、空港の建設などが必要だ。ロシアが同行の設立国に加わったことは、これらのプロジェクトへの投資誘致を保障している。ロシアは、西側資本の参加なしに、大規模プロジェクトの新たな資金源をみつけた。つまり欧米の資本は、物流ハブ、および天然資源へのアクセスの両方を失うということだ。一方で、日本、韓国、中国、APECの島国などのアジア諸国は、東の方向で積極的に活動している。またカナダも活発な動きを見せている。カナダは、制裁にもかかわらず、極東の経済に関心を示している。またオーストラリアも、制裁にもかかわらず、プロセスから脱落しないように努力している。」

トンキフ氏は、全体として負けることになる欧州に同情し、次のように語っている。

「アジアにとってロシアは欧州の国だ。そのロシアは、バイカル・アムール鉄道やシベリア鉄道を使って、欧州とアジアを結ぶエンジンと車軸、そして、ハブ空港や北極海航路などによって、大きなハブになれるはずだ。ロシアは、欧州とアジアを効果的かつ経済的に結ぶことができる。なぜなら、ロシア経由でネットワークを構築することは、合理的だからだ。いま西側は、この地政学的要素を失いつつある。西側のパートナーたちとの話し合いで、彼らもそれを認識していることが分かっている。時期が来れば、西側は、ロシアの極東へ訪れるだろう。なぜなら彼らにとってロシアの極東は、新たなアジアの経済モデルへの素晴らしい拠点だからだ。しかし、その時、すでに条件は変わっている。彼らはそれを痛みと共に認識している。」

トンキフ氏は、一方でロシアは、大規模インフラプロジェクトを実現するために、アジアのパートナーたちと一緒に、新たな実践的な場を構築していると指摘し、次のように語っている。

「もちろん、アジアインフラ投資銀行は、これらのプロジェクトを支持するだろう。プロジェクトには、クロスボーダー的な意味を持つプリモリエ1、プリモリエ2も含まれる。また自由港に関するプロジェクトもある。自由港には、沿海地方の15の地方自治体が参加する。これらの地方自治体は、ロシアの極東だけでなく、中国および朝鮮半島を統合するためのインフラプラットフォームとして機能する。すなわち、巨大な物流ハブが構築されるということだ。その主な資金源が、アジアインフラ投資銀行なのだ。」

アジアインフラ投資銀行は、西側諸国とアジア太平洋地域の将来的な統合を、ロシアの参加なしで行うことは不可能だ。いずれにせよ、西側が、アジア方面へ進み、グローバル経済を構築するためには、ロシアを経由するしかない。他の方法は、効果的ではないからだ。現在、例外なしに、あらゆる先進国と新興国が、物流的な問題を解決するために、市場あるいは資源、あるいは人的資本を求めている。しかし西側は自ら、このプロセスから抜けた。これはもちろん、西側経済にとって利益にはならない。

 

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