日本と中国:「白書」をめぐる決闘

© AFP 2023 / Peter Parks日本国旗と中国国旗
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7月3日、中国外務省は、日本の防衛省が発表する年次報告書、つまり現在準備されている「防衛白書」への不満を明らかにしたばかりでなく、地域に緊張を創り出しているとして日本政府を非難した。「白書」の中では、南シナ海での中国の行動に対する日本政府の懸念が表されている。

2日、日本の複数のマスコミは「防衛白書」の概要を公開した。それによれば、国際安全保障における脅威の一つとして、南シナ海での港や滑走路を含む、中国による大規模な建設行為があげられている。

金曜日、3日、中国外務省のフア・チュンイン(華春瑩)報道局長はブリーフィングで、次のようの述べた-

「南沙(スプラトリー)諸島地区のいくつかの岩礁上での建設行為は、中国の主権の枠内で行われており、完全に合法的なものである。日本は、南シナ海における領土紛争の当事者ではない。しかしここ最近、この問題において、非常な積極性を発揮している。日本は、地域の緊張を創り出すために、あらゆる努力を傾けた。日本の行動は、完全に明らかである。自国の軍事戦略に、前代未聞の変更を加える事を正当化したいのだ。」

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中国共産党幹部 日本の国会代表団と会談
先に中国外務省は、南シナ海のスプラトリー諸島地区に陸の領土を作る作業は、終わりに近づいていると発表した。スプラトリー諸島について、さらに5つの国々が領有権を主張しているという事実は、中国がそこに陸地を人工的に拡大し、形成された場所に戦略的施設を建設する妨げにはなっていない。埋立てにより、中国は、軍事及び民間施設建設に利用可能な8平方キロの新しい陸地をすでに確保した。DigitalGlobe社が最近撮影した航空写真によれば、新しく埋め立てられた岩礁上での空港建設は、近く完了しそうだ。この事は、日本や米国、さらには南シナ海での中国の行動を地域の不安定化につながるものと受け止めている関係当事国の側からの激しい批判を呼び起こしている。

中国は、日本の「防衛白書」に対抗して、自分達の「白書」つまり中国国防省による短期軍事ドクトリンを作成している。その中では、フィリピン、ベトナム、マレーシア、タイ、ブルネイといった近隣5か国のスプラトリー諸島あるいは個別の島々に対する領土要求について「根拠がない」とされ、中国以外の国が、それらの島に自国の旗を立てようとするいかなる試みも「挑発行為」とみなされると書かれている。

こうした状況についてロシア政治・軍事分析研究所のアレクサンドル・フラムチヒン副所長は、次のようにコメントした-

「中国が強大化すればするほど、彼らの野望は大きくなり、断固としたものになる。中国は、欲しいものを手に入れるのに慣れてしまった。中国と日本の間には、尖閣(中国名;ヂャオユイダオ)諸島という別の『眠っている』紛争も存在する。問題が存在する以上、それは発展するだろう。例え日中両国が戦いを望まないとしても、どちらかの何らかの意図的ではない、恐らくは誤ってなされた行為が引き金となって、状況がコントロールできないところまでエスカレートするバリエーションも排除できない。それ以外に、中国は遅かれ早かれ、力を示したくなってゆくだろう。」

最後に注意を促したい事は、中国の新しい軍事ドクトリンが、南シナ海での軍事プレゼンス拡大を規定している点だ。一方安倍首相が始めた改革は、現代の様々な脅威にしかるべく対抗できる能力を備えた 完全な軍隊を作る事に向けられたものである。

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