ガーディアン紙:「ひとつのヨーロッパ」など存在しない、ギリシャにおいてドイツがそれを証明している

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欧州市民の集団的意識において、「ひとつのヨーロッパ」などもはや存在しない。ギリシャ首相はそう強調している。このように、アイルランドの作家、政治コメンテーターで、ガーディアン紙のコラムニストを務める、フィンタン・オトゥール氏は見なしている。ゆえに、急進左派連合による、「ヨーロッパ共通の価値」への呼びかけは、ナイーヴなものに感じられる。 オトゥール氏は以下のように書いている。

欧州の基本原則は今やその意義を失っている。ドイツをはじめとする欧州各国のリーダーたちがギリシャの「政権交代」という理念を公然と推進するさまは、「民主主義」の概念に明らかに抵触している。また、「欧州の結束」「十分に高い生活レベル」といった概念も当初の意義を失っている。EUのレトリックとして、ギリシャ国民を貧困に陥れることは出来ない、とはよく言われるが、それはお座なりの同情に過ぎない。現実には、既に、数十万のギリシャ人が、電気無しで暮らしており、数百万人が、保健システムにアクセスできないでいるのだ。

今日のユーロ圏危機の根は深い。第二次世界大戦後、「ひとつのヨーロッパ」という理念が生まれた。それは、スターリンの政策に対抗し、ドイツに抑止力を効かせた。今日そのドイツは欧州の政治的リーダーの座を占め、ドイツ財務相の言動を見る限り、ドイツはギリシャをぶち、叩き、ギリシャを「ドイツ化」させようとしている。

欧州は、当初の「ひとつ」という理念を脱し、ダブルスタンダードを本質とするようになった。EUは、「ひとつのサイズで誰の体にも合う」とばかりに、ユーロ圏に属する様々な国が、経済危機から脱出する形式を修正しようとすることを許さない。どこにも同じ処方箋が出されるのである。緊縮策、銀行支援、民営化、社会保障・雇用保障の廃止。しかもその時、債権国と債務国の間では、経済危機への評価が一致していないのである。前者は、彼らは「周縁」がその金で生き続ける間はせっせと働く、と見ており、後者は、彼らがせっせと働くのは外国の銀行を食わせるためだ、と確信している。

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