東南アジアのイスラム問題

イスラム急進主義は新たな冷戦の洗礼を受けた。専門家らの間からは、世界の大国はアフリカ大陸および東南アジアの動きに注視すべきとの声がますます挙げられるようになっている。まさにこうした地域で深刻な変化が起きており、まさにそこでイスラム急進主義はますます大きな勢力を伸張しているからだ。

「イスラム国」 - Sputnik 日本
「イスラム国」は世界最悪の脅威の一つとなっている
米国は今日、イスラム急進主義が世界でほぼ最も大きな脅威になっていることを完全には認識していない。米国人の間では、米政権の行為の多くが国益に反しているという声がよく挙げられている。しかも米国政権は、この脅威が年々拡大して行く方向に支援しているのだ。「イスラム国」はすでに壮大な計画のみならず、良好な基地を抱えており、そこから新たな戦士を常時供給できることまで証明している。またイスラム急進主義は東南アジアにも深く根を下ろしてしまった。インドネシアのイスラム勢力を例に取るだけでも十分だろう。インドネシアではすでに長年にわたってジハード(聖戦)が行なわれており、10月、バリではテロが起きているが、その規模の大きさから現地では、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件のインドネシア版と呼ばれるほどのものだった。インドネシアでは2004年に豪州大使館が、また2009年にはジャカルタのホテル・マリオットもテロの被害にあっている。

ロシア科学アカデミー東洋学研究所のエレーナ・フォミチェヴァ上級学術研究員は、こんにちイスラムというファクターは地域の多くの国々で重要な役割を演じているとして、次のように語っている。

「フィリピンには南部に『モラ』という組織が存在しており、武装戦闘行為に訴えている。イスラム教はこの地域に暮らすマレー人の宗教で、ここには分離主義運動、つまり組織がいくつかある。かなり長い時間のなかで彼らの一部は破壊工作や武装攻撃に訴えている。この運動体の起源はかなり昔にさかのぼる。もともとはイスラム南部の分離を求めて戦っていたもので、これらの県がタイに編入された段階から存在している。これはもともとマラッカ王国だったものだ。ここでの問題は経済、社会、宗教のすべてに絡んでいる。つまり唯一のタイという国の枠内でこの地域がどれほどのレベルの自治権を獲得しうるかという問題だ。ミャンマーのイスラム教徒については最近、少数民族ラヒンチャの置かれた状況が大きな反響を呼んだ。彼らは大体がバングラディシュ出身でミャンマーのパスポートは有していない。」

イスラム国 - Sputnik 日本
オバマ大統領はアフガニスタンとの協力を約束するが、「イスラム国」は攻め込む
このほかにも多くの国で地域住民に問題をかもしている由々しい勢力がすでに存在している。インドネシアでは「ジェマ・イスラミア(『イスラムの会衆』の意)」が、フィリピンには「アブ・サヤフ」が跋扈し、政権は闘争を強いられている。これらの組織はかなり前から存在しており、テロを行うほか、正真正銘のパルチザン戦争を行なうことも稀ではない。ロシア戦略調査研究所のミハイル・スモリン副所長は、東南アジア諸国の政権はイスラム急進主義がこなれたシナリオにそって行動せぬよう、厳格極まりない措置をとっているはずとの確信を示し、次のように語っている。

「東南アジアには仏教、イスラム教という2つの文明が衝突している。そして伝統的には仏教国である地域でイスラム急進主義の攻撃や、国家転覆の試みにイスラム急進主義のグループが参加している様子が目に付く。またこうした国のなかで仏教国をイスラム急進主義の伝統に変えようとするイスラム急進主義集団のプロパガンダが活発化している。この傾向はインド・中華系国家のみならず、世界全体で見られる。たとえばアフリカではイスラムがアフリカ諸国の伝統的な文化に対抗している。」

イスラム急進主義組織の多くは、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ブルネイの一部、フィリピン南部、タイでのイスラム国家建設の構想を隠そうともしていない。これは単なる構想ではあるが、これが有ることを考えないでもいいというわけではない。「イスラム国」にとってはこの地域は何の利益もないはず、とたかをくくるのは危険だ。たしかに「イスラム国」にとってはこの地域は世界のイスラム帝国形成の課題には含まれていない。だがジハード主義者らはすでにPRのルールも、古典的レトリックの方法もものにし、運動がたゆまず前進し、新たな目標を目指すことが出来るよう見事な条件を整えている。

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