ロシア 北極海の大陸棚拡大申請を国連に提出

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ロシアは、北極海の大陸棚の境界線を見直し拡大を求める申請書を国連に背移出した。これは、ロモノーソフ海底山脈とロシア本土の地形が一つにつながっている事によるものだ。この豊かな石油・天然ガス資源に恵まれた大陸棚の境界線見直しに関する要請を、ロシアは2001年から行っているが、要請は、情報が十分ではないという事から、大分以前に斥けられていた。

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1982年の国連海洋法条約により、海に面する国家は、沿岸から200海里の排他的経済水域を確定する権利を持っている。そして、こうした境界線を越えて大陸棚が続いている場合は、その境を350キロまで拡大する事ができる。この境界線の内部において、それぞれの国家は、石油などを含め天然資源を管理する事になる。

新しく用意されたロシアの申請書の中では、対象物の測地座標と算出された距離が示されている。もし学者達が、ロモノーソフ海底山脈がロシアの大陸棚の続きである事を証明できれば、ロシアは、そこに眠る資源の優先的開発権を手に入れることになる。天然資源省のデータによれば、その総計は、燃料換算で50億トンに達するという。

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北極地方の開発が意味するもの
ロシアの要請書の学術的な準備作業に携わったシュルショフ記念海洋学研究所のレオニード・ロブコフスキイ副所長が、リア-ノーヴォスチ通信記者に述べたところでは「この申請の学術的根拠を証明するため、ロシア科学アカデミーの主要な専門研究所で働き北極問題に取り組んでいる、最も著名な地質学者や地球物理学者からなるグループが作られた」とのことだ。彼らの課題は、北極の地球力学的進化の現代的なモデルを創る事だった。それは、ロシアの北極海大陸棚の拡大という概念を根拠づける根本的な基礎になるべきものだった。なぜなら、2001年にロシアが最初に提出した申請が却下された原因は、他ならぬこの科学的根拠が不十分であるという点にあったからだ。ロブコフスキイ副所長によれば、地質学や地球物理学的研究もあれから10年以上たち「国連の委員会を満足させるのに必要な大量のデータや地図を用意できた」との事だ。こうして北極海の真ん中に、ユーラシアと北米をつなぐ、地殻の構造としての一種の「橋」、海底山脈が存在する事が証明された。これが、ロシアそしてカナダ及びデンマークから出されている大陸棚拡大要請の根拠である。

さて、ロシアの学者達の研究成果は、北極海に面する他の国々にとっても利益をもたらすのではないだろうか? 原則として、北極点まで大陸棚を拡大できるからだ。しかし、ロシア海洋学研究所のロブコフスキイ副所長は「国際情勢により、ロシアに有利な決定は早急には下されない」と見ている。国連の委員会での要請採択は、数年先に先延ばしにされる可能性がある。そしてまた、次のような事実も考慮する必要がある。200海里経済水域外であれば、どのような船も北極海に入れるということ、事実上そこで好きなことができるという事実だ。もし北極海沿岸諸国が、自分達の間で海域を分割したなら、他の多くの国々は、決してそれを歓迎しないだろう。

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