中国・ロシア製戦闘機のイランへの供給を語るのは時期尚早

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台湾のウェブサイトwantchinatimesが先日、中国とロシアはイランに戦闘機を供給する用意がある、としている。以下、戦略技術分析センターのワシーリイ・カシン研究員がこの情報の真偽のほどを分析する。

イラン核合意でも対イラン武器制裁が即時解除はされない。合意はイランが条件を守れば数年後に制裁を撤回すると定めるのみだ。またイランへの一部武器供与は国連安保理の特別な決定に基づいてのみなされるとされている。安保理決定は米国や英国などどの国でも阻止できる。

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イラン 石油プロジェクトへの日本の復帰を歓迎
国連安保理がイランに発動した武器制裁の中で一番重大なのは、イランへの戦闘機、戦車、装甲車、大口径大砲、攻撃ヘリ、軍用車、ミサイル、ミサイル発射装置の供与の禁止である。

この間露中は安保理決定を守り、制裁に反する試みは控えていた。やっと合意が成りイランが孤立から抜け出した今になってそれを破る気もない。何しろ露中はイランとの本格的経済合意を結ぶ大計画を持っている。イランは人口8000万、教育水準も高く、中東最大の産業国である。イランを西側の制裁から引き出すことは戦略的重要プロジェクトである。それは単発の武器取引などとは比べようもない。

だから向こう数年のうちは、中国のJ-10であれロシアのMiG-29であれ、戦闘機がイランに供給されることはない。ただのファンタジーである。

一方、イランへの軍事供給を禁ずる国連決議は、イランとの軍事技術協力は十分に許容するものである。可搬式をのぞく全形態の地対空システム、無線装置、諜報・通信・司令・無線電子戦用機器は制裁には含まれていない。イランの金融制裁が緩和されれば軍事技術協力方面の取引締結がラクになる。一方で、イランがすぐにもロシアや中国の武器を買う用意があるのかという点は、過大評価を慎むべきだ。イランは非常にタフでハードな交渉相手として知られる。武器供給についても数年がかりの交渉になる可能性がある。

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