北京と東京、連動して動揺か

© AP Photo / Shizuo Kambayashi北京と東京、連動して動揺か
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中国の株価暴落はすぐさま世界の市場に影響した。アジア太平洋地域もその例外ではない。

中国の生産活動は7月、2009年の危機以来最低の水準となった。最近の2回の取引で、上海証券取引所のインデックスは12%以上下落した。2007年の世界危機開始前夜に記録された下げ幅にならぶものだ。日本の経済にも打撃となった。日本では今年上半期、再び景気が後退し、消費者物価もいまだにプラスな局面に入っていない。アジアのほかの国々でも、事情はそう変わらない。こうした中では証券インデックスの低下は極めて予測可能なことだった。これは短期的に、また長期的に、日本経済にはどのように影響するのか。金融分析および経済教育雑誌「エクスペルト」のアンナ・コロレワ氏は次のように見ている。

「2つのポイントがある。現在の状況の、日本経済に対する影響と、株式市場への影響である。日本経済については、日本が世界に冠たる経済大国であることは言うまでもない。GDPの規模でも、現在の生産力でも、日本は米国、中国に次ぐ第3の地位を占めている。これにより、日本経済は、一定程度、頑丈さというものの、いわば備蓄を持っている。今回の動揺もそれにより、衝撃を緩和されたのだ。一方で、日本国内には膨大な国内問題がある。第一に、経済成長の速度が弱いこと。もう10年このかた、ありとあらゆる手段で刺激を試みるのだが、いまだに効果が出ていない。膨大なお金を溢れかえらせている「アベノミクス」も同様である。隣で何らかの経済問題がはじまると、それは日本にも必ずや影響する。何しろ中国は日本の最大の貿易相手のひとつなのだ」

日本は中国に建築資材、日用品、電化製品、自動車を供給し、中国は衣類、靴、その他相対的に廉価な品々を日本の輸出している。中国がいま直面する経済成長鈍化という問題は必ずや日本の肩にものしかかるのである。もうひとつの側面は、株式市場である。再びコロレワ氏。

「日本の株式も、他のあらゆる株式と動揺、世界の気運の人質になっている。日経平均株価も17806ポイントまで下落した。月曜から733ポイントも落ちた形だ。つまりもう現時点で日本の株式市場は損害を蒙っているのである。これが非常の事態を深刻にしている。もし株式市場で暴落が始まれば、日本の投資家らの問題もまた膨大なものになる。日本にはいま、膨大な国家債務があり、2014年末時点のそれは2013年の数値をはるかに上回っていた。もし投資家らに問題が出てくれば、国債もまた問題になるだろう。したがって、日本政府もまた、潜在的には、この15年というもの政府が取り組んできたデフレに勝るとも劣らない問題を抱えているのである。つまり今中国で起きていることのすべてが直接日本に影響するのである。何しろ中国は日本の直接的な貿易パートナーなのだから」

安倍首相が政権に就いたとき、多くの人が、日本経済が長かった停滞から今こそ抜け出るのだ、と思った。しかし声高に叫ばれる「アベノミクスの三本の矢」とやらも、的には命中していないようだ。状況は質的に改善してはいない。したがって、日本経済が抱える根本的な問題はこうだ。日本は中国経済鈍化を背景にしながら、変わることができるか?高騰経済学院の日本専門家、アンドレイ・フェシュン氏は次のように述べた。

「不意に、または、まるで不意をよそおって、資源貿易だけでなく、世界の株式市場に対しても、いま一番大きな影響力をもっているのが中国経済であるということがわかった。日本もその例外ではない。日本経済を見るときは、いま、間違いなく、中国で起こっていることというプリズムを通して見るべきだ。第一に、中国がどれだけ短期間で株式など有価証券の価格下落を補填することができるか、ということを見なければならない。日本もその一員である西側世界というものは、基本的に中国で製造される商品によって生きているのだ。問題は、元相場の変動と株価の下落にともなって価格も変わる商品を購入し続ける用意が世界にあるのか、ということだ」

一方で、アジア全域の株式市場に悪影響を出しているこの中国株式市場の相当急激な落下というものを、誇張してはならないと戒めるのは、投資会社「ソリド」アジア部門代表、オレグ・シャゴフ氏だ。

「株式市場の乱高下というものはもちろん日本経済に悪影響をだす。しかし、いい面もある。たとえば、石油などエネルギー資源の価格が下がる。中国株式市場については、これは、今のところ、この一年に中国がみせた旺盛な成長に対する揺れ戻しの域を出ていない。つまり、株価は依然として高いのである。それも、昨年同期比で30%と、格段に高い。私の見方 では、今起きていることは下落でなく、揺れ戻しである。日本については、日経株価は同時期比でせいぜい3%高いという程度である。よって、急激に状況が悪化しているなどとは言いにくい。単なる揺れ、浮動であり、いつ起こってもおかしくないようなものだ」

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