米国を益するために自らの核安全保障を犠牲にするウクライナ

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米国を益するために自らの核安全保障を犠牲にするウクライナ - Sputnik 日本
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将来的にウクライナ原発に米企業Westinghouseの燃料が供給される。識者らはこれをめぐって盛んに議論をしている。ウクライナ政府は良かれと思ってこう決めたにちがいない。少なくともこうすることでロシアとの協力を減らせる。しかし、パートナーを替えるということには、自然、困難が伴うのではないか。この点について専門家の意見は割れている。

米国の核燃料は安全でなく、合理的でない、とする声も根強い。たしかに安全面には疑問の余地がある。数年前、チェコのテメリン原発で燃料部の減圧が起きた。ここで使われていたのがちょうど米企業の燃料だった。チェコ当局は同社の燃料を使うのをやめた。当たり前だ、安全が第一である。ウクライナ自身にだってチェコと同じような経験がある。しかし、背に腹は代えられぬというやつで、政府はふたたび米国になびいた。米国の実験用マウスになる、とさえ言える。なにしろ現時点でWestinghouse社の燃料を使っている国はひとつもないのだ。ここには同社の野心というものもあろう。自分の核燃料のユニークさを誇る企業である。

他方、米企業の燃料はもともと「メガトンズ・トゥ・メガワッツ」プログラム(高濃縮ウランと低濃縮ウランの交換協定)で米国がロスアトムから買ったものである。ただ、この合意は2年前に終了している。核エネルギーも永遠ではない。これから先米国がどうするつもりなのかは知る由もない。

以上のハードルを無事乗り越えたとしても、確実に不可避である問題がもうひとつある。使用済み核燃料の保管の問題である。Westinghouse社との協力では、核廃棄物の保管にはウクライナ自身が当たることになる。ウクライナが十分に高いレベルで安全を確保できるか?ここにおいては専門家の意見は一致している。すなわち、否。

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