環日本海経済研究所の吉田理事長「ロシア実業界の日本に対する注目度は不十分」

© REUTERS / Yuya Shino 環日本海経済研究所の吉田理事長「ロシア実業界の日本に対する注目度は不十分」
環日本海経済研究所の吉田理事長「ロシア実業界の日本に対する注目度は不十分」 - Sputnik 日本
東方経済フォーラムの主要な参加者達が報告やプレゼンテ-ションをしたり、インタビューに応じたり、話し合いをしている間、他の人達は、彼らの発言に注意深く耳を傾けたり、今後の分析のための統計や情報を集めたりしている。こうした、言ってみれば地味な参加者達は、後になって分析レポートや予測を作成する。それらはしばしば、ビジネス・キャプテン達が「あれやこれやの海外プロジェクトに参加すべきか否か」「いるべきかいないべきか」「どんな会社と関係を持つべきか、あるいは持たない方がいいか」を決めたり「さまざまな分野の事柄あるいは会社の本当の状態」を判断する際、極めて本質的な意味を持つものになる。

東方経済フォーラム総括:「東方経済フォーラムは大成功だった」 - Sputnik 日本
東方経済フォーラム総括:「東方経済フォーラムは大成功だった」
そうした分析専門家のお一人で、公益財団法人環日本海経済研究所(ERINA)の吉田進(ヨシダ・ススム)理事長は、ラジオ・スプートニク、リュドミラ・サーキャン記者の質問対し、率直に答えて下さった。こうした例は、余りない。

以下その内容をお伝えする。

質問「多くの日本人参加者は、大手の銀行や企業の代表で、彼らは、ロシアとの経済協力、特に日本に近い極東地域での協力に極めて関心がある。しかし実際のところ、ロシアにおける日本ビジネスのプレゼンスは、余り大きくない。日本のビジネスマン達のロシアへの関心は、どのくらい本気なのでしょうか?」

答え「今回、自由港や先進開発地域といったものが設置され、法律がかなり以前と違ったものとなる。解放のために作った法律ということなのだろうが、しかし、従来通り厳格に、法律を法律で制限するという可能性も十分ある。ここは、行政の人たちも考え方を変えなければならない。そうじゃないと法律が生きてこない。これがひとつ。もうひとつは、極東は今人口がだいたい600万。ところがその背後に、東西シベリアがある。西シベリアは1500万、東シベリアは900万だから、足し合わせると大体3000万になる。だから、3000万の市場があると考える。で、ロシア側としては、その3000万人が、どういう商品をほしがっているのかということをはっきりしてほしい。たとえば自動車なら、組み立て

東方経済フォーラムまとめ - Sputnik 日本
東方経済フォーラムまとめ
工場はあるが部品産業がない。だから部品産業をつくる可能性がある。それから、石油を掘るためのドリルや、漁船などには需要がある。食品なら肉と魚、乳製品、じゃがいも、これらの加工業を発展させねばならない。そういう商品、技術、設備をロシアが買うということを想定し、新しく投資ファンドも作ったのだから、それをうまく使い、日本に対し、こういう技術がほしいということをはっきり言う。それから、ロシアは日本に石油、天然ガス、石炭を入れている。しかし、日本が他から買ってロシアから買わないのは、たとえばジャムや蜂蜜。それは中に夾雑物が入っているから。そうしたところで、品質を高める技術を買うとか、そういう専門家を日本から雇うとか、そういうことをやらないと。だから、市場調査を担う学者、投融資を担うファンドや銀行、企業家の三つがきちんとグループを作って、日本と仕事をするときには常にこの三つが一緒になってやる。するととても効率がよくなる。すれば日本も安心して参加できる。このフォーラムをきっかけにして、そういう雰囲気を作ったらいい。」

質問「吉田さんは、ロシアの東方転換をどう評価しておられますか?その利点や困難さを、どう見ておられますか?」

答え「人口が3000万しかいないウラル山脈から東の地域にロシアの富がある。森林からガスから何から全部ある。経済的に言うなら、その開発が遅れたのが弱点。しかし、日本が参加できるところでは、ロシアも、中国と話したあとで日本にも参加を呼びかけ、分業させればいいのに、それをしないのが分からない。小さなプロジェクトなら、中国に頼んで日本にも頼むとなると、がちゃがちゃする。しかし港とか、パイプラインとか、大きなプロジェクトなら、日本と協力したらいい。パイプラインについては、日本からファイナンスつきでロシアに供給している。そういうことは今後も続く。たとえばあの橋。設計は日本だ。しかしトラスはフランスから買っている。設計を任せておいてどうして日本から買わない。フランスから運ぶより日本から運んだほうが近いのに。そういう思考が、私などには抵抗がある。」

質問「おそらく、政治がビジネス活動に干渉しているのでしょうか? 今年予定されているプーチン大統領の訪日も、はっきり決まらない状態ですが…」

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答え「安倍さん自身の個人的な気持ちとしては、日露関係を改善したい、平和条約を締結したい。しかし国際情勢の複雑化、ウクライナ問題と制裁で、日本も完全にロシア側についてしまうわけにもいかない。米国との関係も維持しないといかん。それで彼ら自身も困っている。来年のG7(8)にロシアを呼ばないという話もある。が、今の判断ではそうかもしれないが、まだ一年ある。この間に米ロ関係が改善するかもしれない。改善すれば、もとの状況に戻る。ところで、なぜ日米露の関係がいまこうなってるかということをある側面から言えば、日本から米国にはたくさんの留学生が訪れ、その人たちが日本に帰って官庁に入る。しかしロシアにはほとんど留学していない。それを増やしていくことでバランスを変えていく。そこから変えていかないと難しい。昔からロシア文学の翻訳が最もさかんになされている国のひとつが日本である。皆何かしらロシア文学を読んでいる。これは大きなことだ。その伝統を引き継いで、日本からどんどんロシアへ留学していくような雰囲気をお互いに作っていくのがいい。」

公益財団法人環日本海経済研究所(ERINA)の吉田進理事長へのインタビューをお聞きいただいた。なお吉田理事長は、中国の3つの大学の客員教授を務め、そこで日ロ関係について講義をしておられる。吉田理事長によれば、中国人は、このテーマに大きな関心を示しているとの事だ。

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