協力したい露米、でも出来ないその理由は?

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露米はより緊密な相互関係の確立に関心を抱いている。これが行われれば、両国のみならず中国にも明確な利益がもたらされるはずだ。現代世界調査センターの研究者、ユ・スイ氏は露米は接近の途上で深刻な障害に突き当たっているとの考えを示している。

「実際、露米はずいぶん前から戦略的パートナーシップの強化に賛成している。ロシアは発展し続けており、現在、米国とのパートナー関係で作業を行うことが非常に重要で、この国と喧嘩している場合ではない。米国もまた本当の意味での政治的な巨人を無視するわけにはいかない。相手は世界最大の領土を占め、豊富な天然資源も米国に劣らない核兵器も有しているのだ。」

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ユ・スイ氏はシンガポールの中国語新聞Lianhe Zaobaoに掲載した記事のなかで、次のように書いている。

だが一方がそれを願うだけでは不十分だ。ユ氏は論駁不可能な論拠をひいて、露米の戦略的パートナーシップは当初から運命づけられたものだったとの見方を示している。米国とロシアには軍事的政治的分野で(米国とNATO諸国のような)協力の効果的メカニズムも、ロシアと中国の間にあるような強固な経済協力も欠如しており、テロや核不拡散をはじめとするグローバル世界の問題の多くで立場が異なっている。

もうひとつ、躓きの石となっているのがロシアが選択した発展の道だ。ユ氏は、ロシア発展観について米国はプーチン大統領と視点を分かち合っていないと指摘する。プーチン大統領の提唱するロシア発展戦略は愛国主義や市民の統一などロシア流の考えや価値観に立脚している。主たる構想は国民は一丸となり国内経済の成長、政治的統一を支えねばならないというものだ。ところがこうしたアプローチは当然ながら米国にとっては近しいものではない。ユ氏は「米国や西側数カ国はずいぶん前からプーチン氏を大統領のポストから引きずりおろしたいと願っている」と指摘する。

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それでも露米は「イスラム国」を巡る状況の調整や核兵器の戦略的縮小といった共通の課題の遂行など、グローバル世界の問題の解決には互いを必要としている。

ユ氏の見解では、露米関係には3つの主要なファクターが作用している。ひとつは国民の利益であり、もうひとつはグローバルな影響とパワーの普及、3つめは協力と対立の間の絶え間ない闘いだ。そしてこの闘いにおける勝利は対立の側にあるようだ。その結果、露米は全力を傾けて中国との関係を築こうとしている。

ユ氏の見解では中国は露米関係が改善した場合に勝利者となれる。ユ氏は「中国は露米間が強力な両国関係を確立した場合にのみ、勝利できる。これは北京に巨大な戦略的優越を与えるだろうからだ」とし、露米はいずれにせよ、両者を隔てる問題を克服できるはずとの仮定を表した。

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