ロシアと日本の自殺原因、部分的に一致している

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日本で自殺予防キャンペーンが始まった。世界自殺予防デーに合わせてのものだ。国連は9月10日を自殺予防デーに定めている。 日本では1週間にわたり自殺を窮状からの唯一の逃れ道と考える人のためのホットラインを開設する。公共交通機関などでは自殺予防の広告が掲示されている。日本では自殺が国民的問題となっている。日本の自殺率の高さは世界有数。昨年は2万5500人が自ら命を絶った。

一番自殺の危険が高いのが病気の老人だ。しかし15~34歳の若者にも自殺は多い。若者の死因のトップが自殺である国はG7の中で日本だけだ。

自殺はロシアでも国民的な規模の社会問題である。昨年は前年比で自殺者が7%減少したものの、自殺者数はほぼ日本と同じ2万4600人である。自殺者数ではロシアはインド、中国、米国に次いで世界第4位。やはり未成年の自殺率が上昇している。

概して自殺の原因は精神的な絶望、経済的な困窮、肉体的な苦痛、家族不和といったものが多い。日本では事業の失敗や無職、金銭の欠乏、過労、労働環境の劣悪化、同僚との不仲などが主要な原因と見られている。高齢者の自殺については諸要因が複合する場合が多い。たとえば健康問題や金銭の欠乏、親族の重荷にならないようにとの配慮、孤独などだ。子供はいじめが主な原因となっている。

ロシアでも仕事・事業での失敗や物質的欠乏、親類を亡くした悲しみ、家族内の紛争、重病、肉体的苦痛、そして孤独が理由の上位に入っている。未成年については、親の無理解、失恋が上位だ。薬物やアルコールへの依存も自殺原因には多い。

「非常事態における法的・心理的支援センター」のミハイル・ヴィノグラードフ所長は次のように語っている。

「いま、精神的な緊張や攻撃性の水準が高くなっている。子供の自殺統計では数値が5-6倍になっている。生活が不安定になり、貧しい場合も富裕な場合も、あまり両親が子供に構わなくなっていることが原因と見られる。富裕な家族では両親が朝から晩までビジネスに精を出すし、貧しければ仕事を2つも3つも掛け持ちして、子供のための時間を捻出できないのだ。子供がほっぽり出されてしまう。ソ連時代についてはあれこれ批判も多いが、あの時代は子供は国の庇護のもとにあった。サークルとか、課外活動、スポーツクラブといったものが、誰にも利用可能だった。」

出口はどこにあるか?精神科医のミハイル・ペルツェリ氏は次のように語っている。

「けんかしたり、健康を損ねたり、授業でヘマしたり、何かを亡くしたりした子どもは、自分を深刻に見失い、自殺という挙に出てしまう。予防に効果的な手段のひとつが、信頼にみちたお喋りというものだ。自分の問題について子どもが打ち明け、普段だったら得られないような理解や応援を受ける。これで気が安らぐのだ。そしたら全てが軽く、簡単になり、自分は受け入れられている、と理解するのだ。」

欧米各国では若年層の自殺は減っているが、ロシアと日本、韓国はこの流れに逆行している。予断は許されない。

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