ロシアでデフォルト、本当に起きるか?

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ロシアでデフォルトが起きる危険性については、この問題はかなり前から経済の領域を超え、政治的側面へと移動している。現実的な前提などなくとも、ロシアの政治の否定的側面を見つけねばならないとき、毎回このテーマは掘り起こされている。だが専門家らは、これはおそらく政治的な脅かしに限ったことだとの見方を示している。

最たる予測は慰めようもないほど暗澹たるものだ。原油価格の下落、西側市場からの金融支援の拒否でロシアは外債のデフォルトの宣言を余儀なくされるという。だがこの理論を支持する者達は外債購入ができるのは欧州だけでなく、たとえばアジア市場もあるということをすっかり忘れているようだ。モスクワ国際関係大学、国際金融学部のヴァレンチン・カタソノフ教授はロシアの場合、財政赤字とGDPの相関関係は危機的状態には程遠いとして、次のように付け加えている。

「ロシアのリスクは他の国が考えるよりずっと低いとおもう。事実上、EUの全ての国の抱える財政赤字デフォルトのほうがずっと高い。このためには統計を見るだけで十分だ。今年末か、最高でも来年初めには欧州圏の国の抱える負債は平均でGDPの100%を越える恐れがある。ロシアの場合、国の抱える負債のGDPに対する割合は、私の記憶は多少不確かだが、40%程度だ。国の負債の計算方法は複数あって、国家企業を入れるか、入れないかで変わってくる。だが、いずれの方法で計算しても、ロシアはより安定した国のカテゴリーに入る。」

むろん、ロシア経済が国際石油価格にかなり依存している事実は忘れてはならないが、そうした場合でさえ、ロシアは近未来の外債の支払いには十分な資金を有している。だが、遠い未来に黙示録的予測を立てるというのも無駄な行為だ。ここ数年の出来事を思い起こせば、世界経済にはあまりにも多くの予期せぬことが起きたではないか。
経済学修士でロシア大統領付属国民経済国家庁アカデミー、国際貿易調査センターの所長のアレクサンドル・クノベリ氏は、エネルギー資源の価格が著しく急落した場合でも、ロシアにはまだやりくりする余地があるとの見方を示し、次のように語っている。

「ロシア経済にはエネルギー資源の国際価格に依存する面が十分に多くある。このため石油の国際価格が非常に低くなった場合、デフォルトの起きる危険性は十分に高くなっている。
だが、現段階では石油価格は非常に低いとは言いがたい。1バレル50-60ドルではロシアにデフォルトの起きる危険性は事実上ない。この程度の価格でならばロシアが果たさねばならない責務がすべて行われるだろう。

我々の経済に生活レベルの下落にこれが反映するだろうということはあるが、それでもこのケースでデフォルトの話を出す必要もない。西側のアナリストら数名の見解では、デフォルトは1バレル25ドルで起きるとされているが、それはより現実的なシナリオだ。こうした価格では2つのシナリオがありえる。ひとつは、本当にデフォルトが起きるというもの、もうひとつは予算の見直しをし、社会保障のある部分をカットするというものだ。」

2015年初頭から出されていた、明日にもロシアでデフォルトが起きるといった予測が出される数が目だって減ったことは特筆に価する。これは専門家らがロシア経済の現実的な状況を目にし、現実をゆがめることを望まなくなったか、それとも否定的シナリオを描けという政治の側からの注文が消えてなくなったかのどちらかだろう。ラジオ「スプートニク」がアンケート調査をした専門家らは、いずれの場合もロシアのデフォルト予測のための客観的な論拠は存在しないとの見方を示している。

 

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