北朝鮮は何で儲ける? 核兵器への恐怖を煽ってか、それとも本物のミサイル、宇宙技術を売ってか

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北朝鮮の核ミサイルプログラムが再び世界の注目の中心にたった。朝鮮中央通信はヨンビョンの核施設のあらゆる設備が「改良され、極められ、適応が図られ」常時稼動体制となったこと、これによって「朝鮮民主主義人民共和国は完全な戦闘準備体制が整い、いつ何時も米国の行為に対して核兵器で答える準備ができた」ことを明らかにした。

北朝鮮:ヨンビョンの核施設を正常稼働 - Sputnik 日本
北朝鮮:ヨンビョンの核施設を正常稼働
少し前、北朝鮮国家宇宙調査開発委員会は朝鮮中央通信に対し、地球の表面を観測する人工衛星の開発が終了したこと、これは「国の経済発展のために」打ち上げられることを明らかにしていた。この声明に反応をしめし、15日、韓国統一省の公式報道官はソウルでのブリーフィングで、北朝鮮の計画する大陸間弾道ミサイルの発射は安全保障への大きな脅威となっており、国連安保理決議に違反すると指摘した。北朝鮮は何で世界を驚かせようとしているのだろうか。大陸弾道ミサイルの発射実験か、それとも科学人工衛星の打ち上げだろうか? この問いをラジオ「スプートニク」は戦略技術分析センターの専門家、ヴァシーリー・カーシン氏にぶつけてみた。

「宇宙空間へ何かを打ち上げるからといって、これを十分に価値のある弾道ミサイルの実験と捉えることはできない。弾道ミサイルの重要な要素に弾頭があるが、これは軌道の最後の部分で大気圏の厚い層に出て行かねばならないもので、壊れず、コントロールされた飛行を続けねばならない。言い方を変えれば、北朝鮮は宇宙空間になにかを打ち上げるときは、貨物を長距離を運ぶため、ロケットを作りうることを確証しているのだ。だが、 北朝鮮は今までに弾頭の打ち上げを成功させたことは一度もない。これは重要な問題だ。そのため、北朝鮮が人工衛星を軌道に打ち上げるというのであれば、これは政治的目的であればこれは可能だが、弾道ミサイルの実験だというのではれば、これは正しくない。」

Q:北朝鮮が人工衛星打ち上げに成功した場合、それがもたらすのは何か? 権威の強化か?

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米韓は自前の核抑止力を発展させようとする北朝鮮の意思の強さに恐れをなしたのか?
「それだけでない。北朝鮮にとってはミサイル技術の輸出は外貨を稼ぐというあまり多くない財源のひとつだ。北朝鮮の技術、部分的には部材もイランのミサイルプログラムに使われており、それよりは少ないがパキスタンでも使用されている。イランはずいぶん前から宇宙プログラムを発展させているが、それはまさに北朝鮮との協力のおかげだ。北朝鮮にとってはハイテク技術の輸出は、低価格の資材や国際的な基準からすれば、ほぼ無償で働いているに等しい専門家への給与額を考えれば非常に儲けの大きいビジネスだ。」

Q:北朝鮮は宇宙への有人飛行計画を有しているか?

「北朝鮮の宇宙プログラムの代表がつい先日、ロシアのあるマスコミからのインタビューに答えたなかで、その目的について宇宙への有人飛行だと語っていた。だが実際は北朝鮮はこの目的からはまだかなり遠い状況にある。これは単に巨額の資金が必要とされるだけでなく、北朝鮮はそう大きな領土をもっておらず、発射場や着地の場所を確保できないということからも、現時点では現実的ではない。

ところがイランは、北朝鮮の力を借りて自国の宇宙プログラムを実現化しているのだが、すでに宇宙へと動物を送り出しており、宇宙カプセルのプロジェクトもあって、これに動物を乗せた実験を行おうとしている。これは、その後、有人実験を行う前段階だ。おそらく北朝鮮は何らかの方法でこれに参加するものとおもわれる。

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このため北朝鮮がそろって、孤立化させられ、喉もとを絞められても平気だと豪語しても、北朝鮮がどんなに貧困国で他とは変わった国であったにしても、この国は実際は孤立状態にないのだということを彼らはわかっていない。それどころか、北朝鮮はミサイル技術の普及という役割を通して、世界のパワーバランスに、シリアスにそして不可逆的に影響をすでに及ぼしてしまっているのだ。こうなってしまったのも、米国がねじを締め、交渉を拒絶して、自から北朝鮮に影響を及ぼすレバーを失くしてしまったからだ。このおかげで、今や北朝鮮の技術は世界のあちこちに顔を出すことになるだろう。北朝鮮の技術はより複雑になってきている。人工衛星を打ち上げることで、北朝鮮は権威の強化といった 政治的課題を解決するだろう。四面楚歌で食うや食わずの状況にいる北朝鮮が、東アジアの富裕国に数えられる韓国よりも先に地球近くの軌道に人工衛星を打ち上げることができたというのは、すごいことだ。人工衛星打ち上げと平行して北朝鮮は、技術を仕上げ、改良させて、これをイランやパキスタン、また、30年ほど遅れをとりながらも大国と同じ道をたどっている他の発展途上国に売って儲けようとするだろう。大国のなかではミサイル技術を他の国に売り渡そうなどという国はいないが、北朝鮮からはそれが買えるのだ。」

このようなことから、予定されている北朝鮮の人工衛星打ち上げは韓国ないし米国を脅かすためではなく、自国の権威を強化し、技術を最高水準まで磨く目的で行われるのであり、これの販売で、西側が経済封鎖を続行するなかでも生き残りが許されるのだ。

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