越智敏夫氏、安保関連法が採択でもイコール市民運動の完敗ではない

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越智敏夫氏、安保関連法が採択でもイコール市民運動の完敗ではない - Sputnik 日本
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18日、日本の野党は、自衛隊の日本の国外での活動を著しく拡大する安保関連法の参議院での審議を引き伸ばす試みを行った。野党5党は共同で安倍内閣不信任決議案を衆議院に提出した。新潟国際情報大学、国際学部、国際文化学科の越智敏夫教授はこの状況について、ラジオ「スプートニク」からの求めに応じ、次のような見解を明らかにしている。

東京の反戦集会に数万人が参加 - Sputnik 日本
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「こうした重要な法案では成立までどのような過程をたどったかが重要なので、たとえばここで野党が、ただ単に与党の数で、多数決で法案の成立を認めたというようなことでは、反対の度合いが違うとおもうんですね。

ですからやはりここでは、首相の問責決議とか、その他の参議院も含めて、様々な問責決議等を提出して、それだけ野党としては反対したという、その反対の度合いの大きさを示しておくことが必要だとおもうんです。これは単にセレモニーのようなものではなくて、野党の反対の度合いを結果的に残すことだと思います。

そしてこれは国会の外で一般の市民が様々なデモ等で反対の意思を示している以上、やはり野党としてもそうした市民と連携して反対しているということを示す必要があると思いますし、市民がデモをしているからこそ、そういう反対を野党も出来るんだと思います。」

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「スプートニク」:参院が安保法案を支持する場合、学生運動はどうなるでしょうか? また政治状況は緊張化するでしょうか?

「政治状況そのものは緊張することはないと思いますけれども、今回の安保法制が成立したとしても、例えばその後の安保法制そのものの使い方とか、あるいは来年の参議院選挙とか、その次の衆議院の総選挙とか、そういうときの投票行動にも今回の政治というのは影響を与えると思います。

大学生の運動というのは、単に法案が出来たら100%負けて終わりというわけではなくて、若い世代が日本の政治そのものを変えていって、単に一票を投じるだけではない、そういう市民参加の度合いの高い民主主義に日本の政治に将来変えていく、そういう準備であり、非常に重要な行動だと思います。ですからこれは、法案ができたら運動もそれで終わりということではなくて、法案が成立したからこそ、その法案を今後どのように使わせるかという、次の段階の日本の民主主義の重要な活動のひとつになっていくと思います。」

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「スプートニク」:法案が通過すれば、中国が猛反対するでしょう。それをうけて日本の国民、政治家の法案に対する立場は変わるでしょうか、変わらないでしょうか?

「これは当然外交の問題ですから難しいですが、たとえばこういう法案が出来たとしても、市民が今後、安倍政権に対して様々な圧力をかけて、中国を刺激しないようにするべきだとか、それを市民の意見として表明していくことで、日中関係も変わっていくと思います。

当然、今回の法案は中国を刺激するとは思いますけれども、やはりその後、どのような外交政策をとっていくかということに関して、学生たちの運動も含めて、日本の市民が政治に対してどういう意見を表明していくか、そのことによってこの法案の意味も変わってくると思います。ですから中国への反応も、今後の日本の政治そのものがまた、変えていくんだと思いますね。」

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