安保関連法採択で日本の状況は非常事態に

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安保関連法の採択について、ラジオ「スプートニク」は有名なロシア人東洋学者アナトーリー・コーシキン氏にインタビューを行った。

鈴木貴子衆議院議員「安保関連法案には女性の声が反映されていない」 - Sputnik 日本
鈴木貴子衆議院議員「安保関連法案には女性の声が反映されていない」
「日本のいわゆる安全保障法案は自衛隊を日本の国外の戦地、紛争地で使用することを許すものだが、この法案をめぐる状況は非常事態とも呼べるものだ。 はっきりと憲法に違反するこの法案に執拗に反対する波は国会や国の中心である東京のみならず、各県を飲み込んだ。

自民党、公明党の連立内閣が軍事政策を変え、憲法の平和条項の息の根を止めてしまおうという企みに反対して集会には来たのは、野党の活動家だけではない。以前はノンポリとおもわれていた数万人もの若者もこれに参加している。政府よりのマスコミの報道でさえも、集会には日本国民の大半が参加していると報じたが、そうした市民が反対する法案を政府は執拗に通そうとしている。

こうした一方で法案反対者は、あたかも力を行使する手段に出て、国会を閉鎖しようとしているとして、偽善的に非難されている。警察は集会参加者の中からはすでに拘束される者がでたと発表しているが、こうした事態は日本では長い間なかった。

日本の若者はハンガーストライキを行って、安倍首相の退陣を求めている。この状況で安倍氏は単に国民の意見を無視することはない。

とはいえ自民党は公明党といっしょになってこの法案を通すことはできるが、政権与党はこれを行えば支持率が下がることは分かっている。

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このため私は安倍氏が何らかの妥協を模索し、法案にある程度の修正を行う試みにでる可能性も排除しない。それに安倍氏はすでにこれに従事している。

だが、部分的な譲歩で憲法擁護者が満足するとは思えない。憲法擁護者らは断固としてこの政策、つまり日本の自衛隊を変えることに反対していく構えだからだ。

反対運動が大きく展開されたのは自民党には予想外だったのではないかとおもう。しかも日本では一般の人が第2次世界大戦終戦70年の年に自分の意思を表現し、子どもや孫のために平和を守る気持ちに溢れている。私はこれをワシントンが気がつかぬはずはないとおもう。ワシントンは欧州におけるNATOのようなものを極東に作るため、日本の政治にこうした変化を吹き込んでいるのだと私は思う。」

Q:安保関連法の支持者らは採択の必然性を説明する上で中国の脅威を引き合いに出している。あなたの見解では日本社会で優越しているのは中国への恐怖か、それとも安保関連法の採択が引き起こしかねない否定的な結果だろうか?

A:「いわゆるこの法案の『土台』になっているのが中国や北朝鮮の側からの軍事脅威の拡大であり、これらに国のためにあたかも日本が攻撃を受ける恐れがあるとされている 日本国民の中にはこの脅威を信じている人もいる。しかも北朝鮮は定期的にミサイルを発射し、核兵器を開発しているからだ。このため日本の大手マスコミは脅威を煽り、こうした日本人の意識に作用する可能性を手にしている。

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だが大半の人は日本の軍事力を伸張させ、米国と共に軍事作戦に参加すれば、日本がこの地域をはじめとする戦争に巻き込まれる危険性が高まる一方であることを理解している。

今年日本は広島、長崎の原爆投下から70年が経過したことをうけ、様々な会が開かれ、私も日本を訪れて、研究者、政治家、ジャーナリストらと話し合う機会を持ったが、私の印象では日本人の大半は、日本が軍事紛争に引き込まれないための保証として、まさにこの憲法が、安倍内閣や日本のプレスがいう日本の仮想敵国を抑止できると考え、平和憲法の維持を支持していると思った。」

Q:安保関連法が採択されれば、日本では反戦運動が一気に高まるだろうか?

A:「日本人が最も積極的に反戦活動を行ったのは日米安保条約のときだった。当時、日本国民の大多数が反対にもかかわらず、米国との軍事同盟は成立した。今、法案採択後、日本全体が震撼し、安倍政権の退陣を要求して立ち上がるというのは、おそらく誇張だろう。だが、野党と日本の平和団体はこれをそのままにしておくことは絶対にない。このため、与党自民党に反対する闘いがこれから数年にわたって主なテーマとなるのではないだろうか。」

Q:安倍氏退陣後の内閣が情勢を元に引き戻し、安保関連法を廃止することはありえるか?

A:「もちろん、これを否定することはできない。だがこれを行うのにどうしても法律の廃止が必要というわけではなく、これに著しい制限と修正を加え、日本の主たる連合国である米国が行う戦争、軍事紛争へ日本の自衛隊を自動的に組み入れるに等しいこの路線を否定するという方法でもできる。」

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