東大教授、モスクワで講演「日中関係は協調と対立の時代が続く」

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東京大学大学院・法学政治学研究科の高原明生(たかはら・あきお)教授は23日、モスクワにあるロシア国家研究大学・高度経済学院にて「日中関係:現在の状況と課題・習近平外交」と題し、講演を行った。

高原教授によれば、中国の外交に変化が現れたのは2008年で、この時期に起こったマスメディアの論調の転向、中国国内の価値観の変化、中国共産党内部でどのような対立が起きていたかについて説明した。

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中国とロシアの関係については、シルクロード構想(シルクロード経済ベルト)が成功すればするほど微妙なものになるだろうと予想した。「習近平氏は5月にモスクワを訪れた際、欧州・アジア経済連盟とシルクロード構想をドッキングさせることに触れたが、その具体的な内容は明らかになっておらず、未知数である」と述べた。

2010年以後、日中間では緊張関係が続いていた。しかし高原教授の分析によると、去年から中国は対日姿勢を変えてきた。これには次のような理由がある。去年、軍用機同士のニアミスが2回あり、接触を避けるためのメカニズムを至急構築する必要が出てきたこと、中国経済が深刻に減速したため日本の投資を再度呼び込みたいこと、習近平氏の国内権力基盤が固まった今、対日姿勢を軟化させてもよい状態になったこと、アメリカとうまくいかなくなってきたこと、だ。アメリカとうまくいかなくなったときは、中国の伝統的な手法として、日本の方を向くという。

しかしながら、対日融和の傾向が見られるといっても、中国の船が日本の領海を定期的に侵犯し続けていることについては以前と変わらない。高原教授はこれについて、日本が物理的な圧力に屈することはないと強調した。今後の日中関係は、しばらく協調と対立の時代が続くという見通しを示した。

高原教授は講演の結びに「自分の目で、異なる社会を見てほしい。報道には、多かれ少なかれ偏向がある。自分の本当の気持ち、本当の理解を伝えることが大事」と学生に呼びかけた。

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高原教授がモスクワを訪れるのは今回で二度目。初めて訪れたのは36 年前だ。日本の学界とロシアの学界の交流が少なかったため、訪れるチャンスがなかったという。講演終了後、学生からは靖国神社参拝・歴史教科書・日本の安全保障・メディア等に関する様々な質問が出された。

聴講者のひとり、高度経済学院修士課程1年で、中国の内政・外交について研究しているアルチョム・ワレンチノフさんは「中国について学んで6年目になるが、今日の講演でいくつかの新しい事実を知ることができた。中国について全く知らない人にもわかりやすい講演だった。僕たちはこのような講演に参加し、ひとつの物事に色々な見方があるということを知るべきだと思う」と話していた。

 

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