日本の政治を派閥政治の時代へ回帰させる安倍首相

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安倍首相 - Sputnik 日本
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7日、日本で緊急閣議が開かれ、全閣僚が辞表を提出した。これは内閣改造の一般的な手順だ。日本ではなぜ内閣改造が行われたのだろうか?ラジオ「スプートニク」は、ロシア人日本学者のドミトリー・ストレリツォフ氏に意見を聞いた。

9月末に安倍首相が内閣改造を実施する意向を表明した時、首相は、新内閣はよりバランスの取れたものになると約束した。専門家たちは、安倍首相を内閣改造に向かわせたのは、「アベノミクス」の不振や、安全保障関連法案の可決に日本社会の大部分が不満を持っていることによって引き起こった安倍首相の支持率の低下だとの見方を示している。

またもう一つの原因として、自由民主党内の派閥争いの激化がある。自民党総裁選挙で安倍首相を支持した派閥は、新内閣でポストを獲得することに期待した。モスクワ国立国際関係大学東洋学講座の主任で、日本に関する専門家のドミトリー・ストレリツォフ氏は、今回の内閣改造は社会の期待に応え、安倍首相の方針にも一致しているとの見方を示し、次のように語っている‐

「安倍首相が実施した内閣改造は、全体として、安倍首相が自民党総裁に再選した9月末に出された予測と一致している。その時は、首相が主に宣伝目的のために内閣改造を行うと思われた。すなわち、原則的に新しいことには一切期待できないと思われた。しかし安倍首相は、社会の期待を裏切らないために、若手や女性の閣僚を増やした。なお、主要閣僚は留任した。自民党岸田派の会長を務める岸田外相も自身のポストを維持した。ここにはもちろん、安倍首相の政策の一貫性が現れている。安倍首相は、岸田外相を信頼しており、岸田外相の政治力と党内での立場を尊重している」

一方で、ストレリツォフ教授は、「アベノミクス」の問題を考慮した場合、内閣改造では目に見える変化が必要不可欠だったとの見方を示し、次のように語っている‐

「重要な変化として、文部科学大臣の交代を挙げることができる。なぜなら前任の大臣は汚職スキャンダルにまみれていたからだ。他に注目を呼ぶ新たな重要人物を挙げるのは難しい。なお菅官房長官と防衛大臣も留任した。一方で、経済産業相に林幹雄(はやし・もとお)氏が任命されたのも十分に興味深いと言えるだろう。林氏は、首相候補になった。すなわち、安倍首相のライバルの1人ということだ。もちろん林氏は、石破茂(いしば・しげる)氏のような、安倍氏の主要ライバルではないが、十分な力を持つ政治家だ。これと関連して、今回の内閣改造では、派閥のリーダー間のバランスを保つという安倍氏の希望が反映された。自民党が内部から派閥を支配していた冷戦時代の昔ながらの派閥政治へ戻ったように思われる」

派閥政治への回帰は、日本の刷新を助け、日本の発展に新たな弾みをつけられるだろうか?今後の動向に注目したい。

 

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