日本の国連安保常任理事国入り、ロシアはどう考える?

© 写真 : Patrick Gruban国連総会
国連総会 - Sputnik 日本
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国連安保理の非常任理事国の選挙は今日、国連総会で行なわれる。その5席の一つを日本が狙っている。

この日本の立候補を、ここ最近、ロシアの対ウクライナ政策に厳しく批判し、対露制裁に参加し、今度はシリアにおけるロシアの軍事航空作戦に不満を表した日本を、ロシアは果たして支持するだろうか?

この問題について、ラジオ「スプートニク」は有名なロシア人東洋学者でモスクワ国際関係大学のドミトリー・ストレリツォフ教授に見解を尋ねた。

「ロシアと日本の立場が一致しないケースは今までも多々あった。それでも我々は、様々な国を支援し、日本の国連安保理入りを含め、支持を表明してきた。国際問題の議題の中で両国を近づけているものは、私たちが意見を異にしているものよりもずっと重要なのだ。
われわれは日本が例えばウクライナ問題、対露制裁で西側の立場と一致していないようすを伺っている。もちろん日本は西側と共通の連帯的な立場を示している。だが、第1に日本は反ロシアキャンペーンでそんなにアクティブな動きを見せていない。それに日本の制裁はロシアにとって痛みを伴うような性格のものではない。
日本がこの制裁に加わらざるを得ず、日本が制裁のイニシアチブをとったわけでもなく、制裁という条件下でも関係発展は必要であることをロシアは理解している。ロシアは、日本が国際舞台で自立したプレーヤーではないという理解に立脚しているのだ。
そして今、露日関係の議題にプーチン大統領の訪日と政治対話の拡大が入っている今、我々は、少なくともロシア側からは、我々を結び付けるものを第一にすえるべきであり、意見の相違に固執するべきではないと私は思う。こうした複雑な状況ではやはり、立場を近づけ、痛みを伴う問題をも含め、対話を維持しなければならない。
しかも東アジアではロシアと日本は朝鮮半島正常化問題でも、また軍事分野での安全保障措置問題でも客観的に連合国関係にある。ロシアと日本はこうした問題の解決にバランスの取れたアプローチをすべきだと考えている。
こうしたわけで、日本は確かに西側の一部ではあり、ロシアではこのことに疑問を呈する人は誰もいないが、それでも現状況では、ロシアは日本と他の西側諸国、これは第1には米国なのだが、それとを分けて捉えているように私には思われる。日本はロシアにとっては最優先的パートナーに留まっている。」

ラジオ「スプートニク」:以前ロシアは日本の常任理事国入りを支持する構えをほのめかしていたが、今はこれに何らかの変化が生じたのだろうか?

「たぶん、変化はないと思う。いずれにせよ、それから新たな声明は一切出されていない。」

「スプートニク」:今、日本は中国との対立ではっきりと米国サイトに寄っており、中国は日本の国連安保理入りの試みに敏感な反応を見せている。しかも露米関係の緊張化という条件ではロシアにとって中国とのパートナー関係はより一層重要度を増している。こうした条件が整っても、変化はないだろうか?
「ここには直接的な関係はない。中国が我々にとって戦略上重要なパートナーである以上、我々はあらゆる方面で中国を支持していく。これは第3国との関係が損なわれる結果になってもそうだ。

過去に北極評議会でロシアが日本の参加を支持し、中国の参加を退けたことがあった。つまり、ロシアが国益から判断し、日本を最優先にするケースもあるということだ。このため、私であれば現在の状況でロシアが全面的に中国を支持し、日本を退けるという帰結は出さない。ロシアにとっては中国との関係も日本との関係も同じくらい重要だ。ロシアは自制し、均衡のとれた立場を占め、国際関係に一方的なアプローチを行ってはならない。ロシアがそうしたアプローチを採るように、強い外力が講じられているのだから。」

この件については他のロシア人専門家らは別の見解を示していることは認めねばならない。そうした専門家らは、日本が、自国の地域覇権、世界覇権を維持しようとする米国との軍事政治同盟の強化路線をとったことを明確に示す必要があると考えている。この件においては日米の国益は中国の国益のみならず、ロシアの国益とも真っ向から反対する。それにロシアは、国連安保理において日本が非常任理事国となるか、それとも常任理事国となるかという問題で自国の立場を明確にする場合に、この事実を考慮しないわけにはいかない。

 

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