中国、南シナ海でさらなる強硬措置に踏み切る可能性あり

© AP Photo / Xinhua, Zha Chunming, File中国、南シナ海でさらなる強硬措置に踏み切る可能性あり
中国、南シナ海でさらなる強硬措置に踏み切る可能性あり - Sputnik 日本
サイン
米国メディアが先日、中国潜水艦の異常接近を報じた。去る10月24日、空母「ロナルド・レーガン」率いる空母団に、型式未確認の中国潜水艦が接近したという。戦略技術分析センターのワシーリイ・カシン研究員はこの件を以下のように見ている。

同様の事象が最後に確認されたのは9年前の2006年。このとき中国の039型ディーゼル潜水艦が空母「キティ・ホーク」率いる米空母団の対艦防衛圏に侵入し、魚雷射程内を示威航行した。それより以前には、091型原子力潜水艦を含む中国の潜水艦が、グアムおよび日本列島周辺で複数の異常接近を行っている。

カムラン海軍基地 - Sputnik 日本
日本の防衛大臣、ベトナムのカムラン海軍基地訪問を開始
中国はこの間、潜水艦隊の活動範囲を押し広げ、潜水艦をより危険なミッションへと派遣するようになっている。日本の領海への侵入や、日米の軍艦への接近を繰り返し、特にインド洋で制海権を拡大している。中国の潜水艦隊が熟練度を急激に高めている様子が、徐々に明らかになってきた。装備の近代化も並行して進んでいるようだ。

米国の空母団の防衛力に対する中国の潜水艦隊の攻撃力は、どの程度のものなのか。この問題は、アジアの戦略状況にとって、計り知れない意義を持っている。軍事的な脅威が高まった海域に空母団を集結させるのは、米国の十八番である。その空母団の防衛力に難ありということになれば、米国の中国抑止能力自体に疑問符が付される。

DF-21DやDF-26Dといった中国の対艦弾道ミサイルは既に米国空母にとって深刻な脅威となっている。しかしながら、このミサイルは革新的な反面、まだ効果のほどが怪しい兵器である。対艦ミサイルを1500kmあるいは3000km離れた標的に命中させるのは、ターゲットの探索や追尾の面で、相当困難である。場合によっては相当使いにくい兵器となってしまうかも知れない。

しかし、もし中国の潜水艦隊が米国の空母団の防衛力を確実に突破する能力を有していることが明らかとなったなら、状況は米国に極めて不利となる。現代の、洗練された非原子力潜水艦というものは、水上艦および航空部隊にとって極めて手強く、また危険なものなのだ。

拓殖大学大学院特任教授の武貞秀士氏 - Sputnik 日本
拓殖大学武貞教授:「韓国人は、竹島が韓国領でないと知っている」
空母にとって非原子力潜水艦がいかに危険なものかということは、演習でも実証されている。2000年、ハワイにおける演習で、豪州の「コリンズ」級潜水艦は、米国空母を見事に「撃沈」(実際に沈めたわけではないが)することに成功した。2006年に米国空母への接近を果たした中国の潜水艦も、今や同様の能力を獲得しているのではないか。この間に激増した能力を、おそらく中国は、試したがっている。10月24日の異常接近に、中国側がどの程度満足しているかは知る由もないが、同様の接近が再び試みられることは、大いにありそうである。

こうしたハイリスクな行動は、通例、政治的な緊張を背景にもっている。南シナ海の島々をめぐる緊張がさらに高まれば、中国がさらに強硬な手段に出ることもあり得る。

ニュース一覧
0
コメント投稿には、
ログインまたは新規登録が必要です
loader
チャットで返信
Заголовок открываемого материала