先週、中国外務省は、ISの戦闘員らにより人質にされていた中国市民ファン・ジンフイ氏の死亡を確認し「こうした獣のごとき残虐な行為を犯した輩には、必ずや責任を取らせる」と約束した。また習近平国家主席は、IS戦闘員による中国市民殺害を断固非難し「中国は、いかなる形をとるものであれテロリズムに反対する」と言明した。さらにマリの首都バマコでのホテル襲撃事件で中国市民三人が犠牲となった後、中国外務省は「我々は、国外の我が同胞及び組織の安全を守り続けるだろう」との声明を出している。
香港の新聞The South China Morning Postの報道によると、先日、中国では、今年9月に起きた一連の炭鉱襲撃事件に関与した疑いのある28人が殺害されたとの事だ。公式発表によれば、今年9月18日、外国の過激派グル―プと連絡を持つ犯罪集団が、新疆ウイグル自治区のアクス地区の炭鉱を襲撃し、市民11人及び警察官5人を殺害、18人を負傷させた。別のデータでは、犠牲者は全部で50人にのぼるというものもある。公式発表では、炭鉱を襲ったテロリストらは、堅固なグループで、日頃から過激な内容のビデオを見、外国のテロ細胞と絶えずコンタクトを取っていた。
ここ最近の例を見る限り、中国当局は、過激主義者の行動に、極めて強硬に反撃すると思われるが、その一方で当局は、力による抑え込みのみにアクセントを置く事は出来ないだろう。もしそうすれば、ウイグル人の側からの激しい反発が予想されるからだ。それゆえ中国当局は、新疆ウイグル自治区の発展と、その民族的独自性を守る必要性の間で、微妙なバランスを図る事になるだろう。中国政府のここ最近の文書の中に、どこにもイスラムという言葉が無い事に注意を促したい。つまり中国政府は、ここ最近の悲劇的事件の責任は宗教的過激派にあり、イスラムとは関係ないとしているのだ。テロリズムの脅威に関連して、中国は、国際社会と益々密接に協力してゆく心積もりを明らかにしている。