トルコが黒海の海峡封鎖となれば、海洋法の基本原則に違反、ロシア人専門家の見解

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ロシアのスホイ24の撃墜事件後、ロシアとトルコの関係は急速に緊張化している。トルコは更に状況をエスカレートさせ、ロシアに対し、黒海のダーダネルス海峡、ボスフォラス海峡を封鎖するのではないかとの懸念がささやかれている。だが海上の権利に詳しい専門家らは、こうした事態の発展は非常に考えにくいとの見解を表している。

ロシア科学アカデミー国家と権利研究所の主任学術研究員、ヴァシーリー・グツリャク教授はラジオ「スプートニク」からのインタビューに答え、トルコは黒海の海峡封鎖には走らないだろうとして、次のように語っている。

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「理論上はこうしたことは確かに可能だ。つまり物理的にはトルコは、トルコの海峡だと自負する黒海の海峡を封鎖することはできる。これに相当するのはボスフォラス海峡とダーダネルス海峡、それをつなぐマルマラ海だ。
だが黒海の海峡の『鍵』、その法体制を調整しているのは1936年に採択されたモントルー条約だ。(この問題についての)モントルー条約の意義は、トルコは自己裁量で黒海海峡を取り上げ、封鎖してしまうことが出来ない点にある。それはモントルー条約がこうした事態の可能性を明確に見越しており、トルコが黒海海峡を通過しようという船舶の帰属する国家と戦争当事者である場合のみ、封鎖が可能だとしているからだ。これが1点。

見方を変えれば、モントルー条約が失効したとしても、これは形成された国際法の実践や国際的な習慣に合わせて効力を持ち続けており、黒海の海峡は国際的な海峡だと捉えられている。それは自国領内にこの海峡がある諸国は自国の裁量でこれを取り上げ、封鎖することはできない。最悪の場合、これは国際的な航行にとっての損失を意味する。いかなる国もこういう行動はとらない。それは報復を受けかねないからだ。

私はトルコが一方的にこうした行為に及ぶとは思わない。それは、繰り返すが、これは単なる条約違反をこえて、国際的な海洋法の基本原則に違反するからだ。」


 

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