すでに知られているように、中国初の空母「遼寧」は、「アドミラル・クズネツォフ」級のソ連の空母「ヴァリャーグ」を改良したものだ。ソ連邦崩壊後、「ヴァリャーグ」は、未完成の状態でウクライナに引き渡され、中国政府は娯楽・観光施設に改造する目的だと発表し、ウクライナから「ヴァリャーグ」を買い取った。しかし、中国に到着した「ヴァリャーグ」は、大連の造船所で大規模な近代化改装を受けた。そして2014年、「ヴァリャーグ」は「遼寧」と改名されて、中国海軍に引き渡された。中国のマスコミは、空母は訓練のために使用されるだけで、戦闘には参加しないと報じた。
中国の軍事力強化に向けたあらゆる行動が、隣国を緊張させているのは明らかだ。なおロシア科学アカデミー極東研究所のエレーナ・バジェノワ主任研究員は、中国海軍に新たな空母が装備されることについて、中国には、攻撃的な外交政策を実施するためではなく、自国の安全保障のために新たな空母が必要だ、との見方を示し、次のように指摘している-
「世界情勢は複雑であり、様々な国で過激派の台頭が進み、海上では海賊行為の問題があり、そこにはアジア地域も含まれている。人口が10億人を超える国にとって空母1隻では少ない」。
中国当局は、まだ新空母の詳細を一切明らかにしていない。新たな空母の排水量も搭載予定機の数も種類も分からない。なお複数の情報によると、空母は2016年にも進水する可能性がある。