ソ連の最初の月面探査機以来、惑星探査機の構造は基本的に不変であった。多数の車輪をもつ、一種の車であったのだ。こうしたロボットは操作性が限定される。急峻な崖を上ったり、到達困難地に入ったりできない。
そこでNASAは、キュリオシティやその後継機「マーズ2020」よりはるかに高い操作性と頑丈さをもつロボットを開発するために、積極的にアイデアを募っている。NASA技師らが「バブルロボット」と呼ぶ新装置は、ぜん虫やアメーバ、ナメクジの動きをまねて這い回る。基本部分は液体であり、動くときは「這って」前進し、向きを変え、変形する。
こうしたロボットは地球でも使える。各種の救助活動や、きわめて困難な条件で活動しなければならない危険地帯などで有用だ。