朝鮮半島での米戦略兵器配備、アジア太平洋地域を核拡散の瀬戸際に追いやる

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ロシアの高射砲ミサイルS-400の供給で朝鮮半島、日本ないし台湾に配備の米戦略兵器の効果は著しく低下する恐れがある。

米国防総省が朝鮮半島付近での戦略兵器配備領域を積極的に拡大しようとしているのは、北朝鮮を脅かすというよりも、かなりの部分、アジア太平洋地域における中国の高まる軍事力を抑止するために仕向けられている。

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ロシア人軍事専門家のウラジーミル・エヴセーエフ氏は、ロシアの高射砲ミサイルS-400はかなり本格的な可能性を有しており、その購入は、米国の活発化した行動に対する中国からの報復ではないかとの見方を表し、次のように語っている。

「ロシアのS-400の射程距離は名前にあるごとく400キロだ。早期発見レーダーは最高600キロ離れた標的まで網羅することができる。S-400が電子戦のシステムに対抗できることは先日、シリアでも十分に示された。トルコはシリアとの国境付近に電子戦システムを配備しようとしたが、S-400を前には無力であることが証明されたからだ。このためS-400が中国領内に配備されてしまえば、空中の標的迎撃の可能性が拡大されることになる。」

S-400は最新の、そして将来作られる全ての航空宇宙攻撃手段の攻撃を目的としたもの。だがエヴセーエフ氏は、ロシアは中国に対し、これよりもっといいものを提供しうるとして、次のように語っている。

「S-400に加えてアンテイ2500も購入したほうが中国にとっては合目的的だろう。秒速2キロの速さで飛ぶ弾頭を迎撃する能力をもつS-300やS-400とは異なり、アンテイ2500は秒速4キロで飛んでくる弾頭を迎撃することができる。」

エヴセーエフ氏は、米国によって朝鮮半島で開始された戦略兵器の配備はアジア太平洋地域を核拡散の瀬戸際においやるとの見方を示し、さらに次のように語っている。

「このプロセスはコントロールを逸してしまうかもしれない。北朝鮮がもし本当に熱核爆弾を製造するとなれば、日本も、続いて韓国も核保有に踏み切ることが予想される。これに続くことが予想されるのは、韓国も含めた地域全体の各国のミサイルポテンシャルの拡大だ。こうなってしまえば、米韓合同演習の規模のおかげでただでさえ爆発寸前の状況はさらに緊張化する。」

こうした憂慮すべき傾向が理由でロシアは自国の、つまりこの場合、極東の安全保障レベルを引き上げるための方策を採らざるを得なくなっている。

 

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