米国は今回の首脳会議で、南シナ海に関するASEAN共通の立場が形成されることに期待していた。米国は中国の行動が原因で、南シナ海では緊張が高まり、航行の自由への脅威が生まれていると考えている。
オバマ大統領自らがASEAN加盟10カ国を反中ムードにしようとした。オバマ大統領は首脳会議終了後の記者会見で、「我々は、緊張緩和のために、更なる開発、新たな建設、係争海域の軍事化の禁止を含む、南シナ海での現実的な措置の必要性について協議した」と述べた。
これについてモスクワ国際関係大学付属ASEANセンターのヴィクトル・スムスキー所長は、「スプートニク」のインタビューで、次のように語っている-
「南シナ海に関係する問題で中国との関係が部分的に緊迫している国々でさえも、中国との貿易および政治的パートナーとしての関係を損ないたくないと思っている。総括宣言には、中国に対する直接的な非難は盛り込まれていなかった。これはまさにASEAN諸国が、反中国的な立場の支持を望んでいないということを物語っている。ASEAN諸国は、米国が今回の首脳会議を開催した目的が、南シナ海問題を解決する調停者という米国の役割と、彼らがつくった環太平洋パートナーシップ(TPP)における米国の主導的立場を強化するためだということを理解している。もしASEANが反中国統一戦線の立場から行動したら、ASEANは従属者として米国の背後で操られることになるだろう。しかしASEANは、地域での中心的な役割を非常に大切にしている。」
中国国際問題研究院・南太平洋研究センターの沈世順(シェン・シシュニ)所長は、カリフォルニアで開かれた首脳会議の際に示された米国のアジア太平洋地域での政策を批判し、次のように語っている‐
中国外交部の洪 磊(コウ・ライ)報道官は、アジアには米国のための場所も中国のための場所も十分にあるため、争う方向へ進むのではなく、両国だけでなく全人類にとって有益な新たな道を進むべきだと発表した。