韓国:反テロ関連法は実は野党を攻撃するもの

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韓国議会は、できるだけ短い期間内に、一連の反テロ関連法を採択しなければならない。大統領スポークスマンは「韓国に対する北朝鮮からのテロ攻撃が、ますます有り得るものとなった今では、それは必要不可欠だ」と強調している。

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しかし新しい反テロ関連法案の採択を主に妨げるのは、野党勢力の持つ懸念だろう。彼らは、特務機関の権限が拡大され、法律を悪用する危険性を憂慮している。野党勢力が、テロ対策法案採択に関して、そうした慎重さを示すのには、実際十分な根拠がある。これについて、スプートニク日本のタチヤナ・フロニ記者は、ロシア科学アカデミー極東研究所コリア調査センターのアレクサンドル・ジェビン・センター長に、意見を聞いた-

「テロに対抗し措置を討議するというのは、昔からのやり方だ。これは、南北朝鮮関係先鋭化を背景に、用いられている。しかしその目的は、野党に圧力を加える目的での、国内の引き締めだ。これは、韓国内で現在、バク・クネ政権の政策に対する反対の声が強まっている事に関連している。こうした状況に対して、今年初めに韓国を訪れた国連の、平和的集会とデモの自由に関する人権問題を担当する特使でさえ、注意を促したくらいだ。国連特使は、韓国当局には、平和的なデモや抗議行動に参加する人々に対する措置を、明らかに厳格化する傾向があると指摘し、労働組合運動を含め、全体として韓国内の人権状況は悪化していると報告した。また韓国の人権活動家達は、パク・クネ政権は、独裁者だった自分の父親であるパク・チョンヒ大統領時代のやり方を真似ていると指摘している。当時、北朝鮮あるいは共産主義の脅威を口実に、韓国内では、あらゆる政治的野党勢力は大きな弾圧を受けた。」

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すでにもう韓国内では、インターネットの検閲が厳しくなりつつあり、当局の目から見て正しくない主張を展開するユーザー、まず第一に、北朝鮮と関係しているユーザーのサイトやパージが閉鎖されている。

そうした状況について、コリア調査研究センターの責任者、ジェビン氏は、次のように述べている-

「例えば、昨年8月に韓国の複数の軍人が地雷を踏んで亡くなるという事件があったが、あの地雷は韓国が埋めたものだったとの説を展開したサイトは閉鎖となった。そして8月末にも同様の出来事があったが、その時当局はもう、北朝鮮をあえて非難せず、地雷は米国製だったと認めている。

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制限は、芸術の分野にも及んでいる。民謡ばかりか歌詞の無いインストゥルメンタル音楽も含め、どのようなものであれ北朝鮮の歌は、禁止された。もちろん韓国は、北の独裁体制と比較すれば、民主主義において大きな進歩を遂げたが、この南でも制限や検閲が機能していることを指摘しないわけにはいかない。その目的は、現在の路線に異を唱える人達の口をふさぐことだ。これまでの韓国の大統領選挙で、国民の大多数が北に対する強硬策を支持しているわけではないと示された例は、決して少なくなかった。例えば前回の選挙では、有権者の51%を少し超える人達がパク・クネ氏を支持し、彼女は当選したが、南北関係の緊張緩和政策の継続を訴え敗れた野党候補は、48%の票を獲得し、パク・クネ現大統領との差は、たった3%だった。

事実上、韓国社会には深刻な分裂がある。新しい反テロ関連法は、北朝鮮に対し強硬な措置を取ろうとしているパク現政権の路線に反対する人達を攻撃するためのものといってよいだろう。」

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