南シナ海における中国軍の計画はいかなるものか

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ここ数週間、南シナ海における中国の一連の軍事行動が西側メディアの注意を引いている。あるケースでは明らかな情報操作と恐怖を煽る試みが見られた。たとえばウディ島における戦闘機配備に関する報道がそうだ。また、カルテロン岩礁へのレーダー建設は、なるほど新規建設ではあるが、以前から予想されていたことに過ぎない。南シナ海情勢の推移を戦略技術分析センターのワシーリイ・カシン研究員が分析する。

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スプラトリー諸島の行き過ぎた軍事化を避けるという約束を中国が破っていると非難する根拠は今のところない。兵器の配備は今のところ中国が以前から確実に管理しているパラセル諸島に限られている。

中国の地域支配の中心であるウディ島に長距離地対空ミサイルHQ9が配備されたほか、この数か月で島内の飛行場に追加の格納庫が建設され、そこにJ11戦闘機やJH7A爆撃機が配備された。
ウディ島に中国戦闘機が配備されること自体は新しいことではない。飛行場建設は1990年。90年代から時折小規模のJ7戦闘機グループが派遣されてはいた。ただ、飛行部隊が常駐することはなかったし、そのためのインフラもなかった。戦闘機は一時的に前線配備され、のち大陸ないし海南島のメインの基地に帰っていった。

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おそらく今回もそれと同様のことなのだろう。ただ、インフラ拡充により、前線配備の条件がより好適になっている。また、2種類の航空機が配備されたということも、前線配備説を裏付ける。タイプの異なる、そしてともに重量級である戦闘機がウディ島に配備されると、物流が困難になり、島のさらなる発展が阻害される。

ウディ島に中国の戦闘機が派遣されることは何も目新しいことではないのである。ウディ島には群島における中国の行政上の中心もあるし、多くの重要なインフラがあり、それらは保護しなければならないのだ。

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スプラトリー諸島については、今のところ、中国のあらゆる行動が、問題になるような水準の軍事化は進行していない、ということを物語っている。諸島は周辺海域の船や航空機による哨戒を補助するのに使われるのだろう。つまり、諸島で給油や、乗組員の休養を行うのである。通信や諜報情報のハブになることも予想される。

軍事的観点からは、諸島に大規模な軍部隊および兵器を配備しても、実益はない。スプラトリーは大陸からも海南島からもあまりに隔たっており、紛争勃発の際にはすぐに島内の戦力は孤立させられてしまう。遠すぎてすぐに助けに行けないのである。周辺における中国軍の潜在力を代表するのは船舶たちである。諸島に強力な電波基地があり、無線技術手段があれば、有事の際に中国艦隊は膨大な優位性を得ることになるだろう。

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