テキサス、カリフォルニア、ハワイの併合を米国に思い出させたロシア

© Sputnik / Yevgeniy Biyatovクリミアの自発的なロシアへの再編成から丸2年がたった
クリミアの自発的なロシアへの再編成から丸2年がたった - Sputnik 日本
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クリミアの自発的なロシアへの再編成から丸2年がたち、これが米国人政治家らに声明を出すきっかけを与えたが、その声明が今度はロシア人に憤慨と愉快の入り混じる感情を呼び起こしてしまった。

これについてモスクワ国際関係大学、国際調査研究所、上級研究員のアンドレイ・イヴァノフ氏は次のような見方を表している。

米国務省 クリミアに関する対ロ制裁は「ウクライナへ返される」まで続く - Sputnik 日本
米国務省 クリミアに関する対ロ制裁は「ウクライナへ返される」まで続く
「米国務省は、対露制裁はクリミアがウクライナに返還されるまで解除されないという声明を出した。クリミアの帰属をめぐる議論がツィッター上で過熱した。マイケル・マックフォール元駐露米大使のアカウントを訪問した@VeraVanHorneさんが、米国が国家として誕生したときにはすでにクリミアはロシア領だったではないかと書き込むと、マックフォール氏は現ロシア領のカリーニングラードだって、何世紀にもわたってケーニヒスベルグとしてドイツ領だったではないかやりかえし、「そうだからといって今、ドイツにカリニングラードを返せという権利があるということになりますか?」と問いただした。

このマックフォール氏の発言にアカウント訪問者らはいきり立った。訪問者らは、それでは申し上げますが、米国はメキシコにテキサス州およびカリフォリニア州を返し、1898年に併合したハワイに独立を許し、北米大陸の先住民族であるインディアンに米国全土を返して頂きたいと詰め寄った。

ツィッターでのこのバーチャル戦争は今のところ平和の域を超えてはいないが、現実の生活ではロシア人は、これにはクリミア市民も含まれるがクリミア半島のロシア再編入2周年を喜びいさんで祝った。ルーブルのレートの落下や、キエフ当局が行なう経済、エネルギー封鎖による様々な困難を受けようとも、2年前、「ウクライナよ、さらば!」と言い放ったことは正しかったのだというクリミア市民の確信は微動だにしていない。

クリミア - Sputnik 日本
オーストリア大統領候補:クリミアはウクライナの一部となるべきではなかった
今、ロシア人、クリミア市民だけでない。2014年2月に違法な形で行なわれたウクライナの政権交代を支持した米国人にさえ、今のウクライナ情勢の旗色が悪いことは明白だ。ウクライナは再び従属国になる危険性があり、改革は進行しておらず、汚職が蔓延している。これについては、2年前、自らウクライナのクーデターを演出したヌーランド国務次官補欧州、ユーラシア担当も米上院国際関係委員会の席で認めている。とはいえ、ヌーランド女史はウクライナの災いの全てをそのオリガルヒ(新興財閥)とロシアのせいにし、今再びドンバスの情勢が先鋭化しているのもロシアのせいだとのたまわったのだが。

そうはいっても米国人らはウクライナ軍がドンバスへの大々的な攻撃準備を開始した事実を見てみないふりをしている。しかもウクライナは休戦合意を遵守せず、20日ウクライナ軍は大口径の機関銃と迫撃砲を使い、ゴルロフカ村を銃撃した。ドンバス政権の発表では、この一昼夜だけでウクライナは戦線付近の地区に対し、300発を越える銃撃を行なっている。

クリミア市民がこうした運命を自分の身に引き受けたいとは思っておらず、ウクライナの構成体に戻ることを望んでいないのは分かりきった話だ。

ところで欧州のとる行動はこれよりずっと賢い。たとえば欧州委員会は4月半ばにクリミアに代表らを送り、ヤルタ国際経済フォーラムに参加して、EUとロシアの貿易経済関係および対露制裁の解除問題を話し合おうとしている。これは当然ながら米国には気に入らない。米国はなんとかしてEUに圧力をかけ、ロシアとの関係正常化を思いとどまらせようとするに違いない。だが、それを跳ね除けて欧州代表団がクリミアに来るとすれば、これは欧州がようやく自分自身の頭で自らの国益について考え始めたことを意味する。」

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