野党に安倍氏辞職は無理、だが安倍氏にはラディカルな改革が必要

© REUTERS / Toru Hanai野党に安倍氏辞職は無理、だが安倍氏にはラディカルな改革が必要
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日本の4つの野党、民進党、共産党、社民党、生活党が30日、党首会談を開き、安倍内閣不信任決議案を翌31日に共同で提出することに合意した。その理由の一つに挙げられたのが経済改革の失敗だった。ロシア人日本専門家で元駐日ロシア大使を務めたアレクサンドル・パノフ氏は安倍首相には批判の種はあるものの、この野党の安倍首相更迭計画が成功するかは疑問として、次のような見解を表している。

「多くの専門家がアベノミクスは止まってしまっており、期待されていたような結果を出していないと語っている。G7で何をすべきかという問いが出されたのも偶然ではないのだ。安倍氏は日本の輸出量を増やすため円の対ドルレートを下げるよう提案した。だがこれはG7では熱狂的な支持を集めなかった。真っ先に反対したのは独だ。

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有権者もまた安倍氏の政策に不満を抱えている。なぜなら金持ちはより金持ちになり、貧乏人はもっと貧しくなってしまったからだ。当然のことながら野党はこの波にうまく乗って、立場を固めたいと思っているが、これで大成功を収めるということにはならないと思う。」

スプートニク:野党は独自の経済プランを提案できるのだろうか?

パノフ氏:「20年以上もの停滞状態から日本経済を脱却させるため、野党が何か合理的な路線を提案したなどとう話は聞いたことがない。今、日本の野党はばらばらな状態にあるため、統一戦線を組んで打って出ることなど出来るわけないと思う。主たる野党といえば民主党だが、これも明確なプログラムを形作ることはできなかった。このためこの先、安倍氏が深刻に困るような事態になるということはないと思う。」

スプートニク:専門家の誰かが日本経済を引上げるために何が必要かを進言できる専門家はいないのか?

パノフ氏:「実を言えば日本はかなり前から経済の抜本的改革が必要な状態にある。今ある戦後のモデルは国家の側から厳しい経済管理を行なうもので、これはある時代まではよかったが、今求められているのはより柔軟性のある管理形態だ。おそらく経済の自由化こそが、日本でなんとしても実現されねばならない改革の本質になるべきものだと思うが、改革の結果、ますます悪くなってしまうのではないかという不安もある。安定していた状況が突如崩壊してしまったり、経済がだめになったりはしないだろうか? つまりロシアで起きたのとほぼ同じ事態だ。断固とした気構えを持った強いリーダーが必要だ。安倍氏だってアベノミクスを始動させようとしたが、あまりうまくいかなかったではないか。こうなってしまうと安倍氏もまた新たに姿勢を組み替えるのはかなり難しいと思う。」

スプートニク: 日本がTPPに参加することでどんな事態になると思うか?

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パノフ氏:「 今の段階ではTPPは一切存在していない。あるのは調印された6000枚におよぶ書類だけだ。内部でどんな話になっているのか知る人も少ない上に批准がいつになるかも全く分からない。米国では全てがストップしてしまった。だから日本は米国なしで何かやることはないはずだ。だが専門家らの評価から判断するとTPP加盟によって望める日本のGDPの上昇率はわずか1%とそんなに大きいものではない。その上、我慢を強いられる場面もでてくるし、農業は大幅にカットされるだろう。」

スプートニク:2000年代の初めに日本経済が多少息を吹き返したのは中国との協力に恩恵があったという説があるが、今、日本の対中関係は少なくとも政治面では損なわれてしまっている。

パノフ氏:「損なわれたのは政治に限ったことではない。今、中国では経済改革が始まり、成長の速度にブレーキがかかっている。このため日本は中国経済の現実の新たな条件に合わせる必要がでてきたのだ。」

スプートニク:安倍首相は5月、ソチでのプーチン大統領との会談でロシアとの協力の活発化を口にしたが、これが成就すれば、日本経済にはプラス効果がでるだろうか?

パノフ氏:「これは全く動きのない死点から経済を動かしうるような大規模なプロジェクトではない。必要なのは巨大な投資プロジェクトだ。」

スプートニクがこのテーマに関して世論調査を行った。その結果は以下のとおり。

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