「神の街」出身の優勝者

ブラジルのラファエラ・シルバ選手が柔道女子57キロ級で金メダルを獲得した。シルバ選手はブラジルの人種的・社会的格差を扱った映画『シティ・オブ・ゴッド』の舞台である同名の巨大貧民街で生まれ育った。映画は2002年にパウロ・リンスの同名の小説を基に撮られた。映画ではリオの貧民街(ブラジル語でファベーラ)に生きる人々の歴史が描かれている。

この貧民街には最貧民層が住み、堂々とマリファナが取引されており、民族衝突、様々な犯罪組織、マフィア、未成年間の抗争が頻発している。そこで人は生まれ、恋に落ちて、子どもを生み、裏切り、憎しみ、死んでいく。

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だが、そこでも時には五輪優勝者が育つ。今回は、リオ五輪柔道女子57キロ級で金メダルを獲得したラファエロ・シルバ選手だ。シルバ選手の父カルロス・シルバ氏は現在もシルバ選手が生まれたその家に住んでいる。

シルバ氏は次のように述べる。

「ファベーラの多くの住人は、彼女(ラファエロ選手)が出自を隠さないことを誇りに思っていると私は思う。多くの人はこれを恥ずかしがるが、彼女は違う。彼女が『神の街』という名を五輪に持って行ったことは、みんなに喜ばれている」

ラファエロ選手の姉のラケルさんは柔道に大きな期待を寄せていたが15歳で妊娠した。これは、ファべーラでは普通のことだ。ラファエロ選手自身も、12年度ロンドン五輪の後受けた人種的差別の後、柔道を辞めようとした。しかし、柔道を続けるだけでなく優勝する力を見つけた。彼女に生まれ持った意志の力があったのか、柔道がそれを育んだのか。ともかくも彼女は自らの人生を作り出し、貧困、犯罪、麻薬の環境から抜け出した。さて、彼女はまたもや『シティ・オブ・ゴッド』を全世界に広めた。現在この映画は世界最良の映画リストの21番目に入っている。

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