ロシア初の超大作スーパーヒーロー映画監督が、日本で感嘆するものと大好きな超能力を語る

© 写真ヒロイン、ザシートニキ・クセニア
ヒロイン、ザシートニキ・クセニア - Sputnik 日本
スプートニクが著名なロシア人監督サリク・アンドレアシャン氏に取材を行うことに成功した。氏は様々なジャンルで作品を制作。単純なホームコメディから戦士たちを描いたもの、またファンタジーまで。うちのひとつアルメニアの「地震」が2016年のアカデミー賞を獲得した。監督はスーパーヒーローを描いたロシア最初の大作映画となった最新作「ザシートニキ(護衛)」についてスプートニクに語った。監督はロシアの映画界に変革を起こし、未知のジャンルを開拓したいと述べた。

ロシアではスーパーヒーローの映画はめったに撮られない。観客もそれが西側の映画会社、たとえばコミックスのマーヴェルやDCのものであるということに慣れている。ロシアのスーパーヒーローが米国のそれとどう違うか。どうやって観客を惹きつけるのか?

「ザシートニキ」は漫画原作ではない。そうしたものはロシアにはほとんど存在しない。そうではなく、ソビエト崩壊後の人々のメンタリティに依拠している点が異なる。多くの人がソ連時代、冷戦、軍拡競争を覚えている。ちょっと空想してみると、スーパーマンは米国だけでなく我が国でも創られようとしていたと想像できる。「ザシートニキ」の第一部は4人のスーパーヒーローについて物語る。ロシア、カザフスタン、アルメニア、ウクライナのヒーローたちだ。風のように速いのハンはカザフスタン出身。あらゆる格闘技、冷兵器をマスターしている。この造形は遊牧民であり風ふくステップをふらついているカザフ人からきている。アルメニアのヒーローは石を操れる。山の精の力を使えるのだ。こんな映画は世界にまたとない。誰も民族性を基礎にコミックスやスーパーヒーローを開発したりなどしないから。これが我々の文化コードであり、それにこそ依拠してスーパーヒーローを造形すべきなのだ。そしてもちろん熊を避けることはできない。それこそはっきりしたロシアのステレオタイプだから。熊と機関銃というのは衝撃的なエレメントだろう。

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ザシートニキ - Sputnik 日本
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西側のスーパーヒーローから転用したものは何かあるか?

もちろんある。ジャンルそのものが西側で考えられたものだ。我々はそれにインスパイアされた。ソ連でも現代ロシアでもそんな映画は作られなかった。マーヴェルやDCの宇宙を詳細に研究し、Xメンのような既存の派生作のすべてに当たったのは当然だ。しかし我々には、それを焼き直すのでなく、オリジナルであることが非常に大事だった。我々は大ヒット作、大がかりな、現代的で流行の映画を作る。その点で我々は西側映画と似ている。ユニークさはメンタル及び文化コードにもとづくコンセプト、またロケーションにある。西側の作品では絶対にお目にかかれない、オスタンキノ塔の爆破、それをモスクワの道沿いに運んでいく様子を描いている。いずれにせよ映画はよい人間が悪い人間に打ち勝つという話だ。その意味で我々は自転車を考案するようなことはしていない。この話を軸に独自の宇宙を創造することをお考えか。そうしたいものだ。世界のいずれのプロデューサーもいつかロングランヒットを作り、それがのち長く生き、産業に根付いていくことを望んでいる。しかし宇宙を創れるかどうかは第一部の成功次第だ。

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お気に入りのスーパーヒーローはいるか?

私はアイアンマンに感銘を受けた。そのユーモアのセンスが好きだ。彼は何よりもまず人間であり、自分の努力ですべてを成し遂げた。他のスーパーヒーローの大半は突然変異の人間または実験の犠牲者だ。しかしアイアンマンは自らのスーパーパワーを自ら操っている。スーパーパワーが彼を操るのでなく。そこにその人気の秘密がある。あの信じられないほどの偉業を成し遂げたのが人間なのだという意識が人々にはとても大事なのだ。

どんなスーパーパワーを持ちたいか?

テレポーテーション。私見ではそれが最高のスーパー能力だ。私は合理的に考える。先日12時間かけて3度の会合のために米国に飛んだ。そのあと数日後に戻った。すごく疲れてしまった。テレポーテーションがあれば問題にならない。そもそもを言えば、自分を超える人、大事なものを創る人は、誰でもスーパーヒーローだと思う。ガガーリンはスーパーヒーローであり、コロリョフはスーパーヒーローであり、エイゼンシュテインもエジソンもそうだと思う。映画だってスーパーパワーは時に後継に退きヒーローそのものが自らの意志の力で克服し、勝利するのだ。

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ザシートニキ - Sputnik 日本
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ソロ・プロジェクトに関しては、「ザシートニキ」の個別のキャラクターで映画を撮りたいと思うか。誰がその主人公となるか?

「ガォー、俺がロシアを守ったる!」と叫ぶ熊男 - Sputnik 日本
「ガォー、俺がロシアを守ったる!」と叫ぶ熊男
熊に変化するロシアのヒーローでスピンオフを作ってみたい。このキャラクターは子供に受けると思う。シナリオでは彼は学者で、人体実験をしたくなかったので、自らを被検体とした。自分を犠牲にしたのだ。個別の映画でそのことは語られると信じている。

監督によると、ロシアにはいい映画も数多く撮られているが、ほとんどが過去について語り、現在や未来について語るものはほんの一部だ。ロシア映画界はジャンルを拡大する必要がある、と監督は言う。ロシア映画に地殻変動を起こそうとする試みのひとつがこの「ザシートニキ」だ。

日本の観客に、鑑賞の際どのようなことを期待するか?

日本が自らの産品に寄せる信じがたい愛情に私は感激している。それはすばらしいことだ。自らの真正性の保護における国の能力は非常に貴重なものだと考える。18歳ではそれがわからない。マクドナルドはいいものだと思う、米国のものはすべて格好いいと思う。私もそうした世代のひとりだ。映画でも自動車でもサッカーでも政治でも何でもいいが、日本にはそれらに独自性がある。それが自分を感激させる。

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