インターネットとメディア、不妊、障害者とWHOの取り組みについて理解に窮する

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テレグラフなどの英字メディアによれば、WHO(世界保健機関)は不妊の概念を広げた。今後不妊という言葉は夫婦だけでなくパートナーを見つけられない独り者にも使われる障害(ディスアビリティ)に分類される。(http://www.telegraph.co.uk/news/2016/10/19/single-men-will-get-the-right-to-start-a-family-under-new-defini/)

WHOのアカデミックな定義によれば、不妊は1年以上避妊具を使用せず性的活動を行うことができないということになる。しかしメディアによれば、新たな取り組みとして、WHOは医学的状態だけでなく妊娠のための適切な性的パートナーを見つけられない独り者の男女の無能力にも適用されることが提案されている。つまり、これを障害と同等のものとするのだ。

性的パートナーを見つけることができない人達は障害者 - Sputnik 日本
性的パートナーを見つけることができない人は障害者扱いに
これが広く反響を呼んだ。多数のコメントが寄せられ、この問題のアクチュアリティが示された。スプートニクは即座に権威ある専門家に意見を聞いた。児童医療援助・産科局長のエレーナ・バイバリナ氏は次のように述べた。

「WHOから我が局に障害と不妊に関する新たなアプローチをめぐる公式な書類は何も受け取っていない。人間の物理的疾患については国際的な基準がある。再生産の機能の障害はたしかにそれに入っているが、市民に障害を認める基準の設定というのは各国の主権だ。各国が独自にこれを決める。ロシアは不妊を原因に障害を認めてはいない。普通に考えて、障害を認定することがどう夫婦の不妊を解決するのか理解しがたい。我が国では子供のいない人たちへの支援はただでさえ幅広い形態で行われている。仕事は同時並行的に各方面で行われている。まずは堕胎への取り組みを第一とする不妊の予防。また健康なライフスタイルがプロパガンダされている。それでも不妊になったなら、ハイテク技術の発達が助けになる」

それを必要とするカップルにすでに問題解決の道が与えられているならばなぜ今このような概念拡張が行われるのか。テレグラフによれば、WHOは各人に繁殖の権利は耐えられている、としている。今回の動きの推進者のひとり、デヴィッド・アダムソン博士は、不妊の概念拡張は夫婦だけでなく独り者の男女にも再生産の権利を認めることを目的としている。ホモセクシュアルの人たちもそれに含まれる。エレーナ・バイバリナ氏によれば、今回の意味拡張は社会的な側面があり、それは医療の範疇を超えている。ロシアの不妊治療には問題はない。

記事「性的パートナーを見つけることができない人は障害者扱いに」につきまして - Sputnik 日本
記事「性的パートナーを見つけることができない人は障害者扱いに」につきまして
「治療を受けるには一定の手続きがあるが、これは完全にオープンかつ透明だ。体外受精については多数の先例があり、毎年その数は増大している。追加的な適用など何もない。連邦法第323で不妊に悩む人たち向けの手続きであると明確に規定されている。しかし体外受精を受けるには医学的な証明が要る。ただし、ロシアでは何らの制限もない。独り者であれどうであれ、不妊との診断があればいい。独身女性も結婚している女性と同様の不妊治療を受けられる」

反対派は、いまやヘテロもしくはホモセクシュアルの独り者の男女も体外受精を受ける権利を得ることになり、結婚している夫婦がそれを受ける際に困難を生じるとして、概念拡張に反対している。生殖倫理機関のジョゼフィン・クィンタヴァル氏によれば、WHOの新基準は「不妊の概念を改造するだけでなく男女間の自然な性交渉の大事さを後景に追いやる不条理である」。

スプートニクはサイトに公式な回答を公表するためWHOに最終説明を求めたが多数の反響を呼んだテレグラフの報道への回答と説明が掲載される可能性のあるサイトへのリンクが送られただけだった。しかしWHOは性的パートナーを見つけられないすべての人に不妊を認めるという情報を否定も肯定もせず。概念拡張について取り組みがとられているが、それは医学的性格に留まる話だ、と指摘のみなされた。また、その際、障害(ディスアビリティ)という語は用いられなかった。

http://origin.who.int/reproductivehealth/topics/infertility/multiple-definitions/en/

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