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ロシア国防省は8月既にクリルにおける軍事力強化の計画を発表していた。また、重要な国家的課題として2020年にかけてクリル諸島の軍事インフラを発展させるという計画も発表されている。ロシア外務省のザハロワ報道官は、今回の配備は純粋に防衛力強化のための措置だ、としている。また大統領府のペスコフ報道官は、今回の配備は日本との交渉に影響を与えてはならない、とした(ヴェードモスチ「クリルへのミサイル配備につき日本、ロシアに抗議」、11月25日)
我々は近隣諸国の領土、安定、平安に踏み込んではいない。ロシア人は平和を愛する国民だ。東京で合意が結ばれれば、それにそって、緊張緩和の措置がとられるだろう(軍事政治学協会員、プレハーノフ記念ロシア経済アカデミー政治社会学部長アンドレイ・コシキン氏、連邦ニュース通信記者セルゲイ・ガガーリン「政治的注意勧告:ロシアの「バスチオン」に日本はどう報いるか」、11月23日)
クリルを含む極東での軍事力近代化は計画通りに進んでおり、安倍首相に圧力をかけるプーチン大統領の奇策などではない。東・南シナ海や朝鮮半島では軍事的危機が増大している。このような地殻変動期に手をこまねいていることはできない。そして、クリルに配備されたのが全く攻撃的でなく、純粋に防衛的な、射程の小さい地対艦ミサイルであることを忘れるべきではない。概して、今回の配備は、プーチン大統領の訪日にさしたる影響を与えない(ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センター所長ワレーリイ・キスタノフ氏、自由プレス「日本はクリルからのミサイル攻撃を恐れている」、11月24日)
今回の配備は日本の政策に対する対抗措置だ。たしかに安倍首相はロシアとプーチン大統領との信頼関係の重要性を指摘している。しかし日本は逆の方向性、つまり米国との軍事政治パートナーシップも積極的に進めている。ロシアは日本との協力に前向きだが国益追及の権利は留保する(ロシア戦略研究所情報分析センター副所長セルゲイ・エルマコフ氏、同)
大陸のことはインドが面倒を見てくれるだろう。しかし中国周辺の海洋におけるバランスのためには日本が不可欠だ。交渉がうまくいけば、日本政府を通じて平壌および北京との関係も発展するだろう(戦略コミュニケーションセンター副総裁ドミートリイ・アブザロフ氏、経済情報通信プライム「ロシアはポーランドから日本まで『バスチオン』を展開する」、11月24日)
サハリン州と日本がチャーター便で結ばれる
来年7月よりロシアの航空会社「ヤクーチア」が日本からサハリンへのチャーター便を組織する。毎年5000人の日本人がサハリンを訪れている。当局は日本からのツーリズムは有望と見ており、2017-2019 年の関連予算として16億ルーブルを計上している。資金は主として観光客向けインフラ建設に用いられる予定(サハリン州観光局長ナタリア・オシポワ氏、Lenra.ru「日本の観光客がサハリンへのチャーターを組織する」、11月24日)