おいでませプーチン大統領、ピロシキ・やきとりで美味しいおもてなし(写真)

© 写真 : 長門市焼きたてアツアツのピロシキ
焼きたてアツアツのピロシキ - Sputnik 日本
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12月15日に日露首脳会談が行われる山口県長門市。プーチン大統領の来訪を前に、長門市民の間では、食を通してロシアを理解する様々な試みが広がっている。その一部をご紹介しよう。

ロシア料理と聞いて一番に思い浮かぶのはピロシキだが、日本人が初めてロシアに来てみると、ピロシキをピロシキだと認識できないかもしれない。というのは、ロシアのピロシキはオーブンで焼いたものが主流で、一見するとただの惣菜パンだからだ。具はキノコやじゃがいも、ひき肉、卵やキャベツなど多彩で、米が入っているものもある。つまり、ごはん入りパンということになり、日本人にとってこの炭水化物のコンボはかなりきつい。

日本ではピロシキというと揚げパンが主流で、中にはひき肉と春雨が入っているのが定番だが(これはこれで美味しい)ロシアでは揚げパンには別の名前(例えば三角形の揚げパンはチェブレキ)がついている。しかし、ロシアにも寿司とは呼べない「スーシィ」や、巻き寿司と呼ぶにはためらわれる「熱いロール」(これもこれで美味しい)などオリジナルな日本食があるので、多少のズレはお互い様である。

貴重なこの機会に、食文化を通してロシアを知ろう!ということでピロシキ作りを行ったのは、長門市のご当地グルメ開発をミッションとする「チームNGT」のメンバーだ。チームNGTはこれまで、N-1グランプリ2016で総合優勝した長門のからあげ「ながチキ」や、長州どりのチャーシューが入ったラーメン「ながとりめん」など数々の絶品メニューを開発してきた。チームNGTの代表、西原秀卓さんは「長門市で日露首脳会談が開かれるというのは、田舎のまちとしては画期的なことだと思います。私たちにできるのは食に関することなので、食を通してロシアの文化を学んだり、歓迎ムードを盛り上げていきたいと思い、ピロシキ教室を開催することにしました」と話してくれた。ピロシキを実際に作ってみることで、メンバーはロシアを身近に感じることができた。チームNGTでは定番のピロシキ以外に、地元の食材を使ったオリジナルのピロシキを開発することにしており、来週に予定されている試食会に向けて試作が繰り返されている。

© 写真 : 長門市ピロシキの作り方を学ぶ参加者たち
ピロシキの作り方を学ぶ参加者たち - Sputnik 日本
ピロシキの作り方を学ぶ参加者たち

ピロシキが軽食なら、シャシリクはメイン料理だ。ロシアおよび旧ソ連圏で広く人気のシャシリクは、肉の塊を鋼鉄でできた金串に刺し、屋外で炭で焼く豪快な料理である。色々な意味で、日本で本物のシャシリクを作るのは少々難しい。シャシリクの串は、日本人が見たら凶器だと思うだろう。

日本版シャシリクにあたるのがやきとりだが、長門市は人口一万人あたりのやきとり店舗数日本一を誇る。また、西日本有数のブロイラー生産量で、全国的にも珍しい養鶏専門の協同組合「深川養鶏農業協同組合」があり、朝にさばいた新鮮な鶏肉を昼食時にお店で食べることができる、恵まれた環境だ。今回の会談をきっかけに、長門やきとり横丁連絡協議会の会長・青村雅子さんは、ロシア料理を取り入れたやきとりメニュー開発を呼びかけた。開発会議には長門やきとり連絡協議会、深川養鶏農業協同組合、長門市観光コンベンション協会のメンバーが集まり、試行錯誤しながら色々な味付けを試して焼いてみた。最終的には「ハーブソルト風味のやきとり」「ロシア料理シャシリク風やきとり」がメニューに採用されることになった。シャシリク風やきとりは、ロシア人が大好きなはちみつと、バルサミコ酢に鶏むね肉を漬け込んで焼いたものだ。チーズ好きのロシア人のイメージから、クリームチーズもトッピングし、期間限定メニューとして市内のお店にすでに登場している。どこで食べても全く同じというわけではなく、味付けにそれぞれ工夫がこらされているので、やきとり屋をハシゴして食べ比べしてみるのもいいかもしれない。

© 写真 : 長門市これが期間限定メニューだ!
これが期間限定メニューだ! - Sputnik 日本
これが期間限定メニューだ!

青村さん「期間限定メニューは、お客様にも喜んでいただいています。ロシアとはどういうところなのか、何を食べているのか、ロシアについて話しながら、お食事される方もいらっしゃいます。今までロシアというと遠い遠い国という感覚でしたが、プーチン大統領が来てくださるというので、地元はみんな喜んでいますし、盛り上がっています。これを機にロシアと色々な形で友好関係が深まって、私たち市民とロシアの方たちが繋がれればいいな、という思いもあります。やきとりのまちとして鶏肉には自信があるので、たくさんの方にお越しいただき、本場のやきとりを食べていただきたいですね。」

実際、ロシア人関係者らは既に視察のため長門市を訪れている。ロシアは国土が広いこともあって流通事情が日本ほどよくない。やきとりを食べてみた彼らは、鶏肉の新鮮さに大いに感銘を受けたようだ。ちなみに長門は魚も美味しいので、やきとり店であっても刺身や干物などの海産物も味わうことができる。

青村さんのお店「ちくぜん」と「ちくぜん総本店」は経営者も店長もスタッフも全員女性という、従来のやきとりのイメージを覆すようなお店だ。家族連れや女性おひとりさまでも入りやすく、長州どり、長州黒かしわを始めとした定番から創作串まで多くのメニューがある。やきとりの魅力を堪能できることまちがいなしだ。

もちろんプーチン大統領が市内を自由に散策したり、自らB級グルメを堪能するという光景は想像しにくいが、市をあげての歓迎の気持ちは大統領にも伝わることだろう。

© 写真 : 長門市管理栄養士の柴田至且さんの指導
管理栄養士の柴田至且さんの指導 - Sputnik 日本
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管理栄養士の柴田至且さんの指導
© 写真 : 長門市りんごジャムいりピロシキも美味!
りんごジャムいりピロシキも美味! - Sputnik 日本
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りんごジャムいりピロシキも美味!
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新メニュー開発会議 - Sputnik 日本
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新メニュー開発会議
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新メニュー試作 - Sputnik 日本
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新メニュー試作
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トッピングも研究 - Sputnik 日本
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トッピングも研究
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管理栄養士の柴田至且さんの指導
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りんごジャムいりピロシキも美味!
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トッピングも研究
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